週刊「儲け創り」通信 〜創刊101号 2005年7月31日〜 発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部 チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之 この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質をお伝えしていくものです。
今週の「儲け創り」のヒント
「祈りなき行動は妄動であり、
行動なき祈りは妄想である(弘法大師)」
「理論的実践」のススメ
経営者としての成功に必須のふたつの力、
抽象的な理論を具体的に理解する力(戦略構築力)を持ち、
具体的な実践を完遂する力(目標達成力)を持つこと。
妄動とは、「前後の考えなしに、軽がるしく行動すること。(三省堂 新明解国語辞典)」であり、妄想とは、「あれこれと想像したことを事実であるかのごとく固く信じてしまう心的傾向。(三省堂 新明解国語辞典)のことです。「祈り」を戦略と考えれば、そのまま、経営に関する戒めと言葉になります。
「戦略なき行動は妄動であり、行動なき戦略は妄想である」
ともすると、妄動になりがちなのが、経営者であり、妄想になりがちなのが経営学者だとすれば、その間に位置する経営コンサルタントの役割は、自ずから決まってきます。経営学者には、経営の現実にしっかりと立脚した経営戦略の理論を構築して頂いたうえで、経営者には、「前後の考え=経営戦略」をお伝えし、成功への精度の高い行動の実践をして頂くことです。このような考え方は、週刊「儲け創り」通信13号でご紹介した「実践なき理論は空しい。理論なき実践は発展しない。(香川綾 女子栄養大学創立者)」と同様のものです。つまり、経営者は、その経営において「理論的な実践」を行なうことが、成功への近道であるということです。抽象的な理論を具体的に理解する力を持ち、具体的な実践を完遂する力を持つこと。このふたつの力は、経営者だけでなく、経営者を支える役員にも必須のふたつの力です。
成功への善循環
成功へのフロー(問題解決のプロセス)
「知識を得るのがOFFJT(集合研修)、
知恵に変えるのがONJT(現場教育)」
知識を知恵に変えるONJTのススメ
OFFJT(集合研修)には、業務上起きる様々な問題を解決するための知識を得ていただくためのものです。ONJT(現場教育)は、OFFJTで得た様々な問題解決の知識を知恵に変えていただくためのものです。OFFJTとONJTは、人材を人「財」に変える企業の教育の仕組みとして、相互補完的な役割を果たします。両方ともに、企業の教育の仕組みとして欠かせないものですが、経営コンサルタントとして、様々な企業の人「財」育成のお手伝いをさせていただくなかで、特に感じていることは、ONJTの重要性と、それを担える人「財」の不足です。OFFJTで得た知識も、問題解決の知恵に変わらなければ、宝の持ち腐れです。業務の現場では、そのような宝の持ち腐れになっていることが多いようです。ONJTは、基本的には、社内の経営幹部が、その業務の実践を通して行うことが基本ですが、部下の現場教育が上手に出来ない経営幹部が、非常に多いように感じます。知識を知恵に変えさせる=自分の頭で考えさせるには、効果的な質問による現場教育が欠かせないわけですが、この効果的な質問が出来ない経営幹部が多いようです。短期的な成果を上げるためには、明らかに自分の力より劣る部下に「自分の頭で考えさせる」より、問題解決策を教えてしまったほうが早いわけですが、それでは、部下は育ちません。自分の頭で考えていないからです。ですから、長期的な成果は上がらない危険性が高いのです。もちろん、短期的な成果も大切ですし、長期的な成果も大切です。ですから、大切なのは、長期的にも成果をあげ続けるため、人「財」を育成させるためには、「自分の頭で考えさせること」が必要であり、短期的な成果をあげるうえで障害とならない程度に、多少、問題解決が遅くなっても、「自分の頭で考えさせること」です。「それで、あなたは、どうしたらいいと思いますか?」簡単なことのようですが、この言葉を発するところから、ONJTの人「財」教育のすべては始まるのです。現場の問題解決において、点として点在していた知恵を結びつけて線の状態にする=知恵に変えるには、経営幹部の側が部下に対して、不退転の決意で迫ることが大切です。「テマヒマ」かけて、粘り強くです。そうしなければ、点は、点のまま、線になることなく、点在したままです。知恵には変わりません。そして、部下が、あたかも自分自身の力だけで問題解決策を考えついたかのように、効果的な質問によって、正しい問題解決策に誘導していくわけです。この誘導の手法は、残念ながら、圧倒的な業務の問題解決力があって、実践できます。つまり、この手法が使えない経営幹部は、実は、自分だけでは問題解決できるかもしれないが、部下に問題解決策を考えさせるほどの力は持っていないというのが真実です。もちろん、現在、そのような経営幹部にも、将来、成長していただき、部下に対するONJT(現場教育)力をつけていただかなくてはなりません。そんな時に有効なのが、船井総研の経営コンサルタントです。ONJT(現場教育)力のある経営コンサルタント集団であるのが、船井総研の強みのひとつだからです。こういうことが出来る唯一の経営コンサルタント集団といっても過言ではないでしょう。こんな時は、是非!(宣伝でした!笑!)
今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。 経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い満足・価値を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、高顧客価値・高粗利益・高社員価値経営を実現し続けましょう!
望月隆之の事業理念 私がこの聖堂を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂はさらに壮麗なものになろう。 (アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)