週刊 「儲け創り」 通信

〜創刊104号&105号 2005年8月21日28日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、 【高い顧客価値&満足 ( の創造 ) ⇒高い粗利益 ( の創造 ) ⇒高い社員価値&満足 ( の創造 ) 】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質 をお伝えしていくものです。



今週の「儲け創り」のヒント

 

「経営は、ヒトに始まり、ヒトで終わる」

経営の質の向上と量の拡大の過程は、

起「ヒト(経営者)→モノ→カネ」

→承「ヒト(幹部)→モノ→カネ」

→転「ヒト(一般社員)→モノ→カネ」

→結「ヒト(一体化された組織)→モノ→カネ」

である。

「起承転結」のどのレベルにおいても、

始まりはヒトであり、終わりもヒトである。

ヒトの成長なくして、経営の成長はありえない。

 

経営における株式上場への道は、ヒトで始まり、ヒトで終わる。

 

※ここで申し上げている「モノ」とは、「商品(=モノ)の販売の仕組み」、つまり、「マーケティング(市場創り)」のこと、または、「ビジネスモデル」のことを意味します。

※「起のステージ」の目安のひとつとして、年商で言えば、10億までが、「起のステージ」。10億までは、100%経営者の力量 だけ の問題。もちろん、その後の「承のステージ」、「転のステージ」「結のステージ」においても、その企業の年商は、経営者の力量次第で、99.9%、決まってくるが、「承のステージ」の場合、「幹部を育成しきれない」ということが原因であり、「転のステージ」の場合、「社員を育成しきれない」ということが原因であり、「決のステージ」の場合、「組織化(形と魂の一体化)出来ない」ということが原因であるから、「起のステージ」の場合と意味が、多少、異なってくる。


 どのステージにおいても「@ヒト→Aモノ→Bカネ」の順番ですが、まず、「起のステージ」で、具体的に考えてみます。起のステージおけるヒトは、経営者のことです。経営者しかいません。ですから、唯一のヒトである経営者は、モノ、つまり、顧客候補に対して、何らかの商品を販売できる仕組み、マーケティング、ビジネスモデルを、考えなくてはなりません。そして、その考えを実行し、顧客価値のある商品であることが認められれば、顧客候補から、カネが集まります。さらに、このビジネスモデルの精度が高ければ、投資家候補に対して、説得力が高いので、再投資の為のカネが集まります。この循環で、年商10億まで行くことが出来ます。これが、「起のステージ」の基本です。次に、そのカネを使って、幹部候補を雇用します。幹部候補を育成し、幹部にすると、その幹部が、自らの頭で考えたマーケティング、ビジネスモデルで、20億まで行くことが出来ます。さらに、一般社員が自分の頭で考えられるようになると、年商30億、経営者と幹部と一般社員の3者のすべてが 組織化(=形と魂の一体化) が出来るようになると、年商50億を突破できます。このように、 経営者は、まず、幹部や一般社員が自分の頭で考えられるように教育し、さらに、3者の形と魂の一体化=組織化を促進し、それが実現できれば、年商50億と言う結果は、あとからついてくるのです。 業界にもよりますが、年商50億を超えれば、株式上場が見えてきます。そして、組織化のメドさえ立っていれば、株式上場は、文字通り、通過点に過ぎないといえるでしょう。



「 儲けを創るための

人「財」育成、

そして組織化(オーガナイジング、形と魂の一体化) 」

 人「財」育成が重要であるとか、人「財」育成のための「会議のやり方」とか、「評価制度」や、「管理会計」の話をすると、ピンと来ない経営者も多いようです。「会議のやり方」とか、「評価制度」とか、「管理会計」や、人「財」育成を、いくら一生懸命やっても「儲けにつながらない」と考えていらっしゃるようです。そのような経営者のほとんどは、年商10億未満の企業レベルの経営者に多いようです。 人「財」育成や、「評価制度」や、「会議のやり方」や、「管理会計」が、「儲け創り」と非常に密接に関係していることが理解できない、レベルの低い(!)経営者だから、年商10億を超えられないのだとも言えます。 もちろん、まず、マーケティング、市場創りです。儲けのタネが埋まっている市場を創ることです。 しかし、その次に重要になるのが、オーガナイジング、組織化、形と魂の一体化です。経営者と同じように考え、動くことの出来る幹部や社員を一人でも多く創ることが、年商10億を超え、20億、30億、50億、100億を超え、株式上場を果たすためには、最重要ポイントになるのです。なぜなら、最大のコストである人件費の生産性を向上させることが、人「財」育成であり、「会議のやり方」であり、「評価制度」であり、「管理会計」だからです。まさに、 「人件費という最大のコストのコストパフォーマンスを最高化すること」 、これこそが、経営を成功させるための本質だからです。 厳しいことを言うようですが、このことが理解できない経営者というのは、「単なる小遣い稼ぎ」で経営をやっているに等しいといわざるを得ませんね。だから、年商10億を超えられないのです。「単なる小遣い稼ぎ」であれば、年商10億で充分ですから。もちろん、優秀な人「財」も入ってきません。経営者の「単なる小遣い稼ぎ」に付き合ってくれるような優秀な人「財」は存在しませんから。経営者自身に魅力がないのに、そのことを棚に上げて、優秀な人「財」を確保できないことを嘆いてみても始まりません。もし、本当に優秀な人「財」が欲しいのであれば、経営者自らが魅力を身に付ける努力をはじめるべきでしょう。



「あらためて1:1.6:1.6の二乗」


  船井総研の人「財」育成の基本的な考え方のひとつに「1:1.6:1.6の二乗」と言う考え方があります。 経営者の指示に対して、納得せずに仕事をした場合の社員の生産性を1とするならば、納得した場合の社員の生産性が1.6、社員自らの頭で考えて企画をし、経営者の許可を得て、仕事をした場合の社員の生産性は、1.6の二乗であるというものです。 ですから、まずは、社員を納得させて仕事をさせることが大切です。さらに、社員自らの頭で考えること(=自律の第一歩)が、社員の生産性の向上に欠かせないプロセスなのです。しかし、現実には、社員の納得性を高める努力もせずに、ただ、指示通り動くことだけを求めている経営者が、非常に多いようです。その一方で、うちの社員は、指示待ちばかりでと嘆いている姿は、天につばをしているように感じます。 本物の経営者であるならば、最大のコストであるヒトの生産性の向上に関心があるはずです。そうであれば、粘り強く「自らの頭で考え、動く(=自律)」社員創りに取り組むべきではないでしょうか?粘り強く!粘り強く!粘り強く!地道にコツコツと! 儲けを創るために・・・
 



 

「インターネット通販&カタログ通販

 

 ヒット商品創りのポイント」

商品販売&購買の構造を理解し、

ヒット商品創りのポイントをすべて押さえること。


  再三、申し上げているように、ビジネスの基本構造は、「@誰にA何をBどのように」です。 @の誰にとは、どのような顧客候補の、どのような「T(時間)P(場所)O(場合)」に関するニーズ=顧客価値であるのかを明確にするということです。その次にA何をというのは、そのような顧客価値に対応する商品を仕入れたり、製造するということです。 ここまでは、実は、通販だけではなく、有店舗販売にも共通する考え方です。その上で、 Bどのようにというのは、通販の場合、有店舗販売と違い、商品を現実に見たり、触ったりすることが出来ない消費者に、その商品価値、顧客価値を、「ビジュアル&ワード」で伝えることです。これが、通販特有の販売テクニックになるわけです。ヒット商品を創るには、この3点をきちんと満たすこと、しかも、その順番、「@誰にA何をBどのように」を守ることがポイントなのです。 良くありがちな失敗事例は、「Bどのように」の通販特有の販売テクニック、例えば、専門家のお奨めなどの販売テクニックだけで実績をあげようとする場合です。当たり前の話ですが、顧客価値も不明確で、商品自体の価値も曖昧な商品を販売テクニックだけで実績を上げようとするのは、無理があります。また、その逆に顧客価値や、商品価値は、高いのだが、上手な販売テクニック「ビジュアル&ワード」が創りきれない場合です。この場合も、売れません。 きちんと、しっかりと、「@誰にA何をBどのように」を、順番を守り、もれなく、押さえること、それが、ヒット商品創りのポイントになります。



今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。

経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い満足・価値を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、高顧客価値・高粗利益・高社員価値経営を実現し続けましょう!



望月隆之の事業理念

私がこの聖堂(≒事業)を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂(≒事業)を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂(≒事業)はさらに壮麗なものになろう。

(アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)



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