週刊 「儲け創り」 通信

〜創刊107号 2005年9月11日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、 【高い顧客価値&満足 ( の創造 ) ⇒高い粗利益 ( の創造 ) ⇒高い社員価値&満足 ( の創造 ) 】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質 をお伝えしていくものです。


今週の「儲け創り」のヒント

 

「勉強熱心と仕事熱心」


  最近、「勉強熱心」な経営者が増えているそうです。船井流の成功の3原則「素直、プラス発想、勉強好き」からすると、とても良いことだと思います。しかし、最近、増えている「勉強熱心」な経営者は、勉強は熱心だけれども、「考えすぎて決断できない」とか、「勉強するまで結論は先送り」の場合が多いそうです。経営者しか出来ないという意味で、経営者の仕事は、「決断業」ともいえるわけですから、このような経営者は、「勉強熱心」ではあるけれども、「仕事熱心」であるとはいえないのかもしれません。成功するための理論を、しっかりと勉強して、「理論的な実践」をしていただくことをお奨めしている経営コンサルタントとしては、複雑な思いがありますが、実践をともなわない理論は、「妄想」ですから、やはり、経営者には、決断すべき時は、決断をして欲しいと思います。もちろん、理論をともなわない実践である「妄動」が良くないのは、申し上げるまでもないことでしょう。

 

 

「二流のインテリ」経営者


 無から有を創るのが「起業経営者」ですから、ほとんどの「起業経営者」は、「狂気」の持ち主ではないでしょうか?何せ、無から有を創り出すことを、本気で信じているのですから。つまり、未来の有を信じて、現在を行動するということが出来ない限り、「起業経営者」にはなれません。過去の延長線上に未来を想定している限り、「起業経営者」にはなれないのです。一方、学校のインテリ=二流のインテリは、過去の延長線上に未来を想定します。未来の有を信じて、現在を行動することを、「狂気」として、馬鹿にさえします。つまり、学校のインテリは、そのレベルの能力しかないので、二流のインテリであり、真の経営者、真のリーダーとは呼べないのです。しかし、社会のインテリ=一流のインテリは、無から有を創るという「狂気」を持って、未来の有を信じて、現在を行動し、現実にしてしまいます。そして、このことは、何も「起業経営者」に限らず、 「承業経営者」にも必要な能力 なのではないでしょうか? 未来の有を見つけ出し、それを現実にするために、死に物狂いの努力をすることこそ、一流のインテリと呼べるのではないでしょうか? 一流のインテリ=無から有を現実のものに出来る経営者こそ、真の経営者、真のリーダーと呼べるのではないでしょうか?そもそも、過去の延長線上に未来を描くのであれば、それは、誰にでも出来ることです。そうではなく、未来の有を信じて、現在を行動すること=「狂気」こそが、真の経営者、真のリーダーに求められることではないでしょうか? 現在において「目の前にない」を起点にするのではなく、未来において「目の前にある」を起点に考えることが出来ることがポイント です。この能力が高い経営者こそ、真の経営者であり、真のリーダーであると言えます。

 

 

「経営とは、ヒト(のココロ)を動かすこと。」


 顧客であるヒト(のココロ)を動かすことなく、売上は創れません。社員であるヒト(のココロ)を動かすことなく、労働生産性は高まりません。最大のコストである人件費=労働の生産性が高まらないということは、経営の質が高まらないということです。
顧客であるヒト(のココロ)を動かせない経営者は、流石に、少ないようですが、社員であるヒト(のココロ)を動かせない経営者は、意外に、多いようです。それどころか、ヒトとさえ思っていないのではないかと思われるような言動をしてしまう経営者も少なくないようです。社員に対しては、給料を払ってやっているのに、なぜ、顧客と同列にして、対応しなくてはならないのか、理解できない経営者も少なくないようです。しかし、難しく考える必要はありません。利益を増やすのが経営者の使命であることを理解しているのであれば、人件費=労働生産性を高める対応をするほうが得なのか、損なのかと言うことだけです。つまり、 「一体化は、儲かる」 のです。 是非、最大のコスト、人件費の生産性を高めるために、社員であるヒト(のココロ)を動かす努力をしましょう。社員だって、生身のヒトなんですから。 特に年商10億を超えるか、社員数50名を超えたら、儲け創りのポイントは、ヒト(のココロ)を動かすこと に変化します。そのような企業の成長ステージになっているにも関わらず、相変わらず、マーケティング だけ に関心のある二流経営者も多いようです。経営者がそんなことだから、業績が伸びないのですが・・・ 年商10億を超えたら、社員数50名を超えたら、経営者の「ヒト(のココロ)を動かす力」の有無、強弱によって業績の伸びが違ってくるのです。 組織創り=一体化で、是非、儲けていただきたいものです。

 

 

「ビジネスモデルより、社員教育が、繁栄の源泉」


  先日、中古本買取販売のブックオフ坂本さんのお話をお伺いする機会がありました。起業間もないころの人材難の中で、入社してきた社員と、文字通り寝食を共にして、ひとつひとつ、一人一人に教育をされていたそうです。東証1部上場になって今でも、基本的には、同じような教育スタイルをとられているそうです。その上で、よく聞かれる「後発大手企業」に打ち勝つには、どうするかと言う質問には、以下のように答えるそうです。「ビジネスモデル」自体は、たいしたものではないので、真似をしようと思えばいくらでも真似できるが、寝食を共にして教育していくような企業風土は、決して真似できないはずですし、これこそが、競争力の源泉、繁栄の源泉ですと。中古車買取専門のガリバー羽鳥さんも、同じようなことをおっしゃっていました。聞くところによると、ハーバード大学の研究の結果では、「ビジネスモデル2割、企業風土8割」が、企業繁栄のポイントだそうです。つまりは、企業風土を創り出す経営者の「人格」自体が、企業の繁栄を決めるということでしょう。器の小さい経営者には、それなりの繁栄しか望めないということですね。自社の繁栄を望みたければ、まず、経営者自身の器を大きくすることがポイントと言うことでしょう。

 

 

今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。

経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い満足・価値を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、高顧客価値・高粗利益・高社員価値経営を実現し続けましょう!



望月隆之の事業理念

私がこの聖堂(≒事業)を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂(≒事業)を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂(≒事業)はさらに壮麗なものになろう。

(アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)



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