週刊 「儲け創り」 通信

〜創刊108号 2005年9月18日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、 【高い顧客価値&満足 ( の創造 ) ⇒高い粗利益 ( の創造 ) ⇒高い社員価値&満足 ( の創造 ) 】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質 をお伝えしていくものです。


今週の「儲け創り」のヒント

 

「企業の成長ステージと経営のポイント」

経営のポイントは、企業の成長ステージによって変化します。
  


  当然ことながら、まずは、目先の売上創り、利益創りですから、マーケティング(市場創り)がポイントになります。何があろうと「起」のステージでは、「伸ばす@」時期です。
 しかし、売上が10億を超えたり、社員数が50名を超えますと、ポイントは、オーガナイジング(組織創り)に変化してきます。組織創りにテマヒマをかけないと売上、利益は、伸びなくなってくるのです。何があろうと「承」のステージでは、「整える@」時期なのです。
 このステージで、多くの経営者が陥りやすいミスは、売上、利益が思ったように伸びなくなった原因を、マーケティングに求めてしまい、その対策として、マーケティングによりテマヒマをかけてしまうミスです。思ったように売れない、儲からない原因をマーケティングとしてしまう検証のミスにより、仮説も間違い、益々状況が悪くなるというミスです。マーケティングしか知らないコンサルタントに相談するのも要注意です。彼らはマーケティングしか知らないので、知っているマーケティングの範囲で原因を探し、対策を立ててしまうのです。ヤブ医者に見せてもからだが良くならないのと同様です。ヤブコンサルタントには、気をつけていただきたいと思います。それ以前に、経営者として、経営には、大きく分けて、マーケティング的な側面とオーガナイジング的な側面があることを理解したうえで、自社の現状を判断することです。その上で、自社の経営問題の解決にふさわしいと思われるコンサルタントを、「経営問題の解決の道具」として上手に使うことです。原因が、マーケティング的な側面なのか、オーガナイジング的な側面なのか良くわからない場合には、その両方に精通している「真の経営コンサルタント」に依頼することです。間違っても「マーケティングだけコンサルタント」や、「組織創りだけコンサルタント」に頼んではいけません。絶対に、貴社の経営問題を解決できないからです。そのように確信しているからこそ、私、望月は、「真の経営コンサルタント」として、年商ゼロの起業ステージから、10億、20億、30億、50億、100億の上場ステージに至るまでの範囲を、自らの業務範囲として限定して、コンサルティング活動を行っているのです(宣伝です!笑)。時々、経営コンサルタントに相談することは、経営者として「負け」だと思っていらっしゃる経営者の方がいらっしゃるようですが、経営問題の解決の単なる道具のひとつに過ぎない経営コンサルタントを上手に使いこなすことなく、「負け」だと思ってしまうのは、あまり得策とはいえないのではないでしょうか?紙は、手でも切れますが、やはり、はさみを使ったほうが上手に切れます。しかし、だからといって、はさみを使った人が、はさみに負けたということにはならないと思います。使える道具は、上手に使うこと。もちろん、「使える」場合にのみ使うということが大前提であることは、申し上げるまでもありませんね。

 

「他律人材を上手に活用し業績を向上させる方法」

 「他律人材を上手に活用し業績を向上させる方法」こそが、「承のステージ」、「整える@」で求められる「オーガナイジング(=組織創り)」の手段のひとつです。
 「自律」ではなく「他律」人材なのですから、当然マニュアルの整備がポイントのひとつになります。
 また、具体的な評価項目が満載の評価制度の整備もポイントのひとつになります。
 OJT(=現場教育)の場として、「知識の共有化(ナレッジマネジメント)と意識の一体化」の実践の場として、「会議」を定義付け、業務遂行のテクニックなどを定着させる道具として使いこなすこともポイントのひとつになります。
 「管理会計の導入」などもあげられますし、「就業規則」もモチベーションアップにとって、大切なポイントになってきます。
 これらの具体的な対策の前提として、経営者自身のコミュニケーション能力の向上がポイントであることは、申し上げるまでもないことでしょう。様々な指示が指示通りに行われないのは、指示を受けた社員の側に問題がある場合もありますが、指示を出した経営者の側に問題がある場合のほうが、比較的多いと考えるべきでしょう。また、関連して申し上げれば、指示を出す経営者の側の本気度が試されている場合も多くあります。本気度の少ない指示では、社員のココロに「迫る」ことが出来ないので、社員を動かすことは不可能です。金を払っているのだから、指示を聞くのは当然だというレベルでは、もちろん、社員を動かすことは出来ませんが、本気度の少ない指示でも、社員を動かすことは出来ないのです。何せ、相手は、喜怒哀楽のある生身の人間であり、「感情で動くのが人間の本質」ですから。商品やサービスを買っていただくのも、顧客というヒトの感情に働きかけなければならないし、モチベーション高く=生産性高く働いていただくのも、社員というヒトの感情に働きかけなければならないのです。だから、マーケティングもオーガナイジングも、ヒトのココロ満足がすべてなのです。つまり、経営の真髄は、ヒトのココロ満足であるといっても過言ではないのです。
  話が少しそれてしまいましたが、「承のステージ」できちんと「整える@」をクリアしないと、次の「転のステージ」、「伸ばすA」に行くことは出来ません。逆にこのステージでキッチリと組織化できれば、「伸ばすA」での業績は、飛躍的に向上するでしょう。

 

「HowよりWhat」
コミュニケーションのテクニックを学ぶ前に、
伝えるべきことは何なのかを問え!

 コミュニケーション能力の高さは、ビジネスを成功させる上で、非常に大切なポイントのひとつです。ですから、そのテクニック、いわゆるHowto、やり方を学ぼうとする人が多いのは、向上心が高いということで非常に結構なことです。しかし、コミュニケーション能力の向上において、そのHowtoを学ぶ以前に、コミュニケーションによって伝えるべき何かの存在の有無や、強弱、多少が大切なポイントなのではないでしょうか?伝えるべき何かが無かったり、たとえあったとしても曖昧なものであれば、いくらテクニックを弄しても、それを相手に伝えることは難しいでしょう。心に愛がないのに愛を語る結婚詐欺師のようなものですね。まあ、結婚詐欺師に引っかかる人も少なくないようですから、それはそれでよいのかもしれませんが(?)・・・ビジネスの世界の話しに戻して言えば、何のために経営しているのか?何のために働いているのか?が明確でない経営者、社員、企業も結構多いようです。そういう企業が、いくら、顧客に対してコミュニケーションをとろうとしても、なかなかうまく伝わらないのではないでしょうか?そして、この伝わらないという結果は、テクニックがまずいという以前の問題が大きいのではないでしょうか?基本的には、経営のテクニックをお伝えするのが経営コンサルタントですが、「実体のない経営者、社員、企業」のコミュニケーション=マーケティングを上手に行う魔法のようなテクニックは存在しません。まず、問われるべきは、伝えるべきことは何なのか?と言うことでしょう。Whatです。Howto以前の問題です。

 

今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。

経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い満足・価値を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、高顧客価値・高粗利益・高社員価値経営を実現し続けましょう!


望月隆之の事業理念

私がこの聖堂(≒事業)を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂(≒事業)を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂(≒事業)はさらに壮麗なものになろう。

(アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)



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