週刊 「儲け創り」 通信

〜創刊110号 2005年10月2日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、 【高い顧客価値&満足 ( の創造 ) ⇒高い粗利益 ( の創造 ) ⇒高い社員価値&満足 ( の創造 ) 】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質 をお伝えしていくものです。


今週の「儲け創り」のヒント

「量=価格(訴求)ビジネスと質=価値(訴求)ビジネス」
消費者=市場の成熟化と二極化の進行、そして、
ますます、プレミアム(価値の割増)ビジネスの時代。
単なるディスカウント(価格の割引)ビジネスは、もはや、通用しない。
単に、価格を「ウリ(=訴求)」にするだけでは、儲からない。
多少難しくても、価値、それも顧客価値を「ウリ(=訴求)」にしないと、
儲からない。
単なるディスカウントビジネスが生き残れない「素晴らしい時代」の到来です!
(知恵さえあれば、企業規模に関わらず、成功できるということですから、
特に、中小企業にとって、「素晴らしい時代」の到来です!)
顧客価値のあるところを突き止める仮説を創り出すことが出来る(=知恵がある)プレミアム(価値の割増)ビジネスが繁栄する素晴らしい時代の到来です!

 マズローの欲求に関する説明を持ち出すまでも無く、人は、まず、絶対的な量を求めます。そして、量的な満足が満たされると、その次に、質的な満足を求めます。
まずは、モノのレベルでの差別化で、「量」を満たす商品、例えば、ビールで言えば、発泡酒や、第3のビールと、ます、ます、ディスカウントが求められます。
その一方で、「質」を満たす商品、例えば、恵比寿ビールや、プレミアムモルツという具合に、ます、ます、プレミアム(価値の割増)が求められます。
市場の成熟化と二極化の進行です。

話は、飛びますが・・・

メーカーは、「量」商品を、利益が上がる形で開発すれば良いのですから、まだ、良いのですが、通常のビールを、自社の粗利益率を削る形で、単なるディスカウント(価格の割引)を行ってきた小売店は、すべて業績が悪いようです。酒のディスカウンターの生き残り策は、内外価格差を利用して、海外から商品を調達するか、プライベートブランド商品を開発するしかなかったはずです。つまり、現実的には、大手小売業しか生き残れない「土俵(=市場)」になってしまったので、中小のディスカウンターの業績は、すべて悪いようです。そういう荒れた「土俵」になってきたら、中小企業は、迷わず、プレミアム(価値の割増)ビジネスに転換しなければ、生き残れないにも関わらず、転換しようともせずに、消えていってしまったところも多いようです。このように「土俵」が荒れたときに、中小企業がどうすればよいのかは、先行している業界の事例を見れば、火を見るより明らかなのですが、そういうことは、全く眼中に入らなかったようですね。これからの業界で言えば、ドラッグストア業界があります。やはり、中小企業以下は、プレミアムビジネスに転換しないと生き残れないのですが、ほとんどの企業が気付いていないか、気付きたくないようにも見えます。少しは、先行する他業界の事例でも勉強して、対応を取られた方がよろしいかと思いますが、あいかわらず、気付きたくない経営者が多いようです。

 そして、さらに、「質的な満足」を突き詰めていくと、モノのレベルの差別化では、決定的な差別化にはなりません。ココロのレベルの差別化が必要になります。「ココロ満足」を求めるところに行き着きます。例えば、同じキリンビールでも、郊外のディスカウントストアで購入する価格と銀座で飲むときの価格の違いを見れば、「消費者に、どのようなTPO(時間、場所、場合)で商品を提供すれば、高くても、喜んで、お金をお支払い頂けるのか」は、明白です。「ヒトのココロを満たして差し上げると、高くても、喜んで、お金をお支払い頂ける」のです。明白である以上、それを、淡々と実行すれば、必ず、儲かります。もちろん、理屈が明白であっても、誰でもが、銀座のお店の雰囲気を創って、綺麗でしかも教養もある女性を確保し、教育し、提供できるわけではないですが。しかし、どうすれば、高くても、喜んで、お金をお支払い頂けるのかの本質が、理解できれば、実は、これは、すべての業界で使える理屈です。そして、高くても、喜んでお買い上げいただける、つまり、粗利益率の高い、しかも、経費率や原価率の低いビジネスを行うことが、すべての経営者の目指すべきビジネスモデルであるということは、申し上げるまでも無いことでしょう。どうすれば、高くても、喜んでお買い上げいただけるのか?にすべての知恵を使い切りましょう!
  粗利益率50%を超える住関連小売業東急ハンズの事例を見れば、住関連小売業にとってのプレミアムが理解できます。(量が満たされた業界において、中小企業が業績を伸ばしたいのであれば、プレミアム戦略をとるべきであるというのは、住関連小売業界において、東急ハンズが創業した1970年代後半からわかっていることですが・・・)
  業績が伸び悩む総合通販業界で、今もなお成長し続けるカタログハウス(カタログ名 通販生活)の事例を見れば、総合通販業にとってのプレミアムが理解できます。
  貴社が、中小企業であれば、基本的に、どの業界であっても、取るべき戦略は、ただひとつ、プレミアム戦略のみです。貴社の業界でのプレミアム戦略の具体化=戦術をお知りになりたい場合は、望月隆之までお問い合わせください(宣伝です、笑!)。

 

今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。

経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い満足・価値を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、高顧客価値・高粗利益・高社員価値経営を実現し続けましょう!


望月隆之の事業理念

私がこの聖堂(≒事業)を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂(≒事業)を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂(≒事業)はさらに壮麗なものになろう。

(アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)



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