週刊 「儲け創り」 通信

〜創刊111号 2005年10月17日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、 【高い顧客価値&満足 ( の創造 ) ⇒高い粗利益 ( の創造 ) ⇒高い社員価値&満足 ( の創造 ) 】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質 をお伝えしていくものです。


今週の「儲け創り」のヒント

 

「自律社員を育成する」

「儲け続ける強い組織」の核となる自律社員(全社員数の2割)を育成する

 

ちなみに他律社員は6割で、非律社員は2割

自律社員2割と他律社員6割を育成することが出来れば、

人「財」育成策は、大成功

 

 経営幹部はもちろんのこと、顧客の購買現場における販売&営業リーダーにも、ますます、自律性の高さが求められるようになってきました。利益の源泉である顧客満足を高めるために、また、同業他社との決定的な差別化=独自化要因として、販売&営業リーダーの自律性の高さは、ますます、重要になってきています。従来のようなマニュアル=他律社員による販売&営業では、充分な顧客満足を得られにくくなってきているのです。しかし、その一方で、自律社員は育成しにくいので、同業他社との決定的な差別化=独自化の要因となりうるのです。では、このように、ますます、重要度が高まってきている自律社員を育成するには、どのような方法を実践すれば良いのでしょうか?今回は、その具体的な方法をお伝えします。しかし、その方法をお伝えする前に、「自律」の定義を確認しておきます。ここで申し上げる 「自律」とは、「自分の頭で考えられる」と言うこと です。もう少し丁寧に言えば、
「自分の頭で考え、動き、成功できる」 と言うことです。ちなみに、「他者の頭(=他律=マニュアル)で考え、動き、成功できる」と言うのが、他律社員の定義になります。非律とは、他律以前の状態を指します。それでは、「自分の頭で考えられる」「自律」社員の育成方法をご説明させて頂きます。

 具体事例Aという問題が発生します。その問題解決にあたり、いきなり、問題解決策を教えるのではなく、 「どうしたらいい?」 と言うように、社員に対して問いかけを行い、 まず、その問題の当事者に自分の頭で考えさせます 自分の頭で考えさせながら少しずつ我が社らしい問題解決策 に導いてきます。そして、その問題解決策にたどり着いたら、 その次に、その問題解決の本質、我が社らしい判断基準を教える のです。具体事例Bという問題が発生した時にも、Aの時と同じように、いきなり解決策を教えるのではなく、自分の頭で充分に考えさせ、さらには、その問題解決の本質、我が社らしい判断基準も教えるようにします。 目先の問題解決も大切ですが、それ以上に大切な「自律社員の育成」という目的を達成させるために、時間をかけるのです。手間をかけるのです。自分の頭で考えさせること、そして、我が社らしい問題解決の本質を学ばせるということの2点がポイント です。この2点が出来れば、 単なる自律社員ではなく、我が社の自律社員の完成 です。 我が社らしい問題解決の本質を学んだ社員は、その次の具体事例Xの問題解決にあたっても、いちいち経営者に問題解決策を聞かなくても、経営者と同様な判断基準を持って解決することが出来るようになります。経営者は、現場のリーダーになって欲しい人、経営幹部になって欲しい人を、あらかじめ決めた上で、根気強く、テマヒマかけて、上記の2点を教え込んでいくことが大切です。 そうすると、やがて、経営者と同じ問題解決の本質を踏まえた判断が出来るようになります。そうすれば、ほとんどの日常業務について、大幅に権限委譲しても、経営者と変わらない判断が出来るようになり、経営者は、より上位の業務、例えば、更なる業績向上のための戦略立案に時間を割くことが出来るようになるという「善循環」が生まれるのです。これが、 強い組織を創る上での基本的な構造 です。 単に目先の問題解決のためだけではなく、自律社員育成のために、会議などにおいて、OJTという形で、じっくりと教え込んでいくことが大切 なのです。

ところで、この方法で自律社員を育成する場合、育成する側の経営者自身が、我が社らしい問題解決の判断基準を、しっかりと持っていて、なおかつ、社員が納得出来るように、説明できる能力があることが大前提です。つまり、抽象的な話を理解できる能力があることが、大前提ということです。具体的な話しか理解できないレベルでは、この方法が使えないということです。厳しいことを申し上げるようですが、この能力のない経営者は、年商1億の生業レベルの経営に留まっていたほうが良いでしょう。人を使えない以上、家業にしていく能力、ましてや企業にしていく能力は、全くないといってよいわけですから。力相応が一番です。

 

「成功するマーケティング戦略の立案と実行」

成功するマーケティングの基本的な構造を理解し、実践する。

マーケティングにおけるPDCAサイクル

 

検証と仮説のポイント

販売方法(どのように)
商品(何を)
販売対象(誰に)
コンセプト

 

 

 

 

 

今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。

経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い満足・価値を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、高顧客価値・高粗利益・高社員価値経営を実現し続けましょう!


望月隆之の事業理念

私がこの聖堂(≒事業)を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂(≒事業)を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂(≒事業)はさらに壮麗なものになろう。

(アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)



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