週刊 「儲け創り」 通信

〜創刊115号&116号 2005年11月6日&13日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、 【高い顧客価値&満足 ( の創造 ) ⇒高い粗利益 ( の創造 ) ⇒高い社員価値&満足 ( の創造 ) 】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質 をお伝えしていくものです。


今週の「儲け創り」のヒント

「魂(経営者の経営哲学、企業の経営理念)と(ビジネスモデル)

 魂と形の構造を図解すると、以下のようになると考えています。

 短期的に金儲けだけを考えるのであれば、「形」だけでもいけるでしょう。しかし、長期的に、儲け続けるには、「魂」がないと難しいでしょう。儲け続ける=企業価値を上げ続けると言う事から申し上げれば、企業価値の源泉である経営者と社員という「ヒト」が共有し続けられる「魂」がなければ、高いレベルでの生産性を持続し得ないからです。
  私がお付き合いをさせて頂いている成功された経営者の方々が共通しておっしゃるのが、「魂」の重要性であり、「ヒト」の重要性です。ここで言う「ヒト」とは、経営者と社員の両方です。もちろん、経営の良し悪しは、経営者で99.9%決まりますが、あとの0、1%は、経営者の考えをよく理解し、実行する社員で決まりますので、経営者と社員の両方です。経営の現場を経験し、成功されている経営者は、このように「ヒト」の重要性を語られます。しかし、経営の現場を経験せずに、机上の空論を振り回すような単なる評論家は、「形」としてのビジネスモデルを最重要とお話されます。もちろん、「形」としてのビジネスモデルは、経営を成功に導く上で、非常に重要な要素です。しかし、「魂」の次に大切なものであって、最重要ではありません。「形」を最重要とされる方は、どのような立派な肩書きを持っていても、ほぼ100%、経営の現場を経験されたことのない机上の空論者に間違いないと言ってよいでしょう。私は、経営者になったことはありませんが、成功されている経営者の方とのお付き合いを通して、そのような経験則を持つようになりました。「形」より「魂」。企業を成功させるために必要な多くの仲間が集えるような求心力を持った「魂」の存在こそが、間違いなく、企業の成長にとって、最重要ポイントです。「形」は、その次です。

 

「PDCAとは、考え、動くの善循環のこと」

多くの日本の企業において、暗黙知的に行ってきた「PCA(=考える部分)」を形式知(言語)化し、その情報を共有化(ナレッジマネジメント)し、組織の力を強めよう!より早く、より強く。

すべての業務の現場で、「PDCA」を行うことが、組織の力が強まることにつながります。この考え方を定着する上での抵抗勢力その@は、現場社員のめんどくさがる気持ち。乗り越えるためには、とにかく、一度やらせてみること。暗黙知を言語化する過程で、自らの頭が整理される感覚を経験すれば、言語化することのメリットが理解でき、仕事で成功したい人間であれば、自ら進んでやるようになります。知恵の共有化に対する抵抗勢力そのAは、議論下手。議論を通して、計画の内容をブラッシュアップさせることが出来ない場合が、非常に多い。議論をしてもゼロか百かでしか考えられないので、感情的になる。「20%は彼の意見を取り入れよう!」と考えられるように誘導する。つまり、PDCAのメリットと、知恵の共有化のメリットというふたつのメリットを実感してもらえば、組織は、自ら動くようになり、組織の力は強くなっていきます。

 

今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。

経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い満足・価値を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、高顧客価値・高粗利益・高社員価値経営を実現し続けましょう!


望月隆之の事業理念

私がこの聖堂(≒事業)を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂(≒事業)を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂(≒事業)はさらに壮麗なものになろう。

(アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)



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