週刊「儲け創り」通信

〜創刊117号&118号&119号
2005年11月20日&11月27日&12月4日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、 【高い顧客価値&満足 ( の創造 ) ⇒高い粗利益 ( の創造 ) ⇒高い社員価値&満足 ( の創造 ) 】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質 をお伝えしていくものです。


 今週の「儲け創り」のヒント

「オーガナイジング(組織創り=人創り)で勝ち残る経営」
具体的な日々の問題解決におけるPDCA(計画・実行・評価・改善)
ナレッジマネジメント(知識の共有化)
そして、抽象的な企業理念・経営理念の共有化
に関する基本構造を理解し、
業績向上に結びつける行動を取ること=生き残るだけでなく、
勝ち残る経営の実践
オーガナイジング(組織=人創り)が、なぜ、業績向上に結びつくのか?
経営理念や評価制度、管理会計が、なぜ、業績向上に結びつくのか?

 前回、お話し申し上げたように、人創りにおける業務遂行能力の向上には、職種を問わず「PDCA(計画・実行・評価・改善)」の徹底が基本であり、非常に有効なツールのひとつです。

 その上で、打ち合わせや会議などの日常のコミュニケーション(個対個、個対少数(7人以下)、個対多数(8人以上))を通して、問題解決のポイント=ナレッジ(知識)を、共有していくこと。そのうえで、ナレッジの前提となる経営理念を、理解させ、共有して行くこと。また、経営理念をベースに、具体的な行動の指針となる評価制度を創り、社員を誘導することこそが、経営の最重要ポイントのひとつです。

 

「企業価値向上(=人儲け・金儲け)の善循環」

 先日、株式会社国際ビジネスブレインの代表取締役の新将命(あたらしまさみ)氏
http://www.kouenirai.com/profile/618.htm)のお話を聞かせていただく機会に恵まれました。新氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の代表取締役をはじめとするいわゆる外資系大企業の代表取締役を歴任された方です。今回お聞かせいただいたテーマは、「勝ち残る企業の条件」と言うものでした。最初から最後まで、非常に勉強になるお話ばかりでした。その中でも特に「勝ち残る企業創りの流れ」のお話は、内容的に共感できるものであり、しかも、とてもわかりやすいものでした。いわゆる船井流の考え方と、本質的には同じものであると思い、新氏の「勝ち残る企業創りの流れ」をベースに、私なりにまとめたものが、「企業価値向上(=人儲け・金儲け)の善循環(次頁)」です。「企業経営の良し悪しは、経営者で99.9%決まる」と言うのは、船井流の基本的な考え方の一つです。その中でも、特に、企業価値が、企業のあり方(=企業理念)とやり方(=ビジネスモデル)で決まるように、経営者価値は、経営者のあり方(=経営理念=経営理念の前提となる経営者の人生哲学)とやり方(=仕事の進め方)で決まると言うところが重要なポイント(次々頁)です。そして、企業価値や経営者価値を高めるために、何より大切なのは、やり方のベースとなるあり方(企業理念・経営理念・人生哲学)です。逆に言えば、どのような経営テクニックやノウハウがあったとしても、その企業のあり方、経営者のあり方がまずければ、その成功は、一時的、短期的なものにしかならないということです。企業や経営にとっては、長期的なものにならなければ意味がありません。ですから、ちなみに、私は、「私腹を肥やすことしか考えていない経営者に対して、経営テクニックやノウハウを教えること」には意味がないと考えています。つまり、「私腹だけではなく、公腹を肥やすことも考えている経営者に対して、経営テクニックやノウハウを教える」のが経営コンサルタントとして正しいあり方だと考えています。
  このようにまず、経営者ありき、経営者の人生哲学ありきで、「リーダーシップ」が問われることになります。社員の品質が高められるかどうかと言うことです。その上で、まず、商品の品質が問われ、次に、その商品を通して顧客にご満足を提供できると業績が上がり、その結果として、株主にもご満足を提供できると言う善循環を上手にまわすことこそ、現在の経営者に求められていることではないでしょうか?外資系大企業の代表取締役を歴任されてこられた新氏の言葉だけに、重みが違います。私自身も、このような「企業価値向上の善循環」という考え方に確信を深めました。

 

企業価値向上の善循環

 

企業や経営者におけるやり方とあり方の関係

 

「あり方(抽象的な経営理念)と
やり方(具体的な問題解決方法)の関係」

 普段あまり考えることのない抽象的な経営理念によって、実は、毎日考えている具体的な問題解決方法が規定されています。ですから、現在、理解しているやり方、つまり、具体的な問題解決方法によって、解決できない問題に出会った場合、基本的には、普段あまり考えることのない抽象的な経営理念から考え直すことが必要になります。また、A社のあり方とB社のあり方は、当然、違いますので、例えば、同じ問題があっても、その具体的な問題解決方法(やり方)は、当然、違います。問題解決方法としては、問題が解決できれば、当然、どちらも正解ですが、A社らしい手法ではない場合、A社では不正解である場合もあり、B社の場合も同様です。ここで求められているのは、もちろん、問題解決することですが、「A社は、A社らしく解決すること」であり、B社も同様です。例えば、「自利利他」の経営理念を持つ経営者の企業であれば、「自利利他」の経営理念にふさわしい問題解決方法が、常に求められているのです。経営理念と相反する問題解決方法は、問題解決方法の選択において、はじめから選択の範囲の外にあります。少なくても、生き残り、勝ち残る経営を目指すには、やり方とあり方において、一貫性のある経営が大切だからです。

 

「成功する通信販売商品の企画、開発、仕入の基本」

 通信販売(=現物未確認販売)においては、インターネットやカタログやモバイルなどと言った
メディア上で表現できる顧客価値がある商品が売れる商品、良い商品。現物を確認できれば売れる商品は、有店舗で売れる商品、良い商品。通信販売においては、全く意味がない。顧客に価値を伝えられなければ、満足していただけないから、買っていただけない。

「知(知識)行(行為)合一・言行一致・考動一致、
つまり考えと動きのバランスが成功のポイント」

「知・言・考」と「行・行・動」の一致、バランスが取れていることが、成功のポイントのようです。「知・言・考」だけですと「妄想」になってしまいます。「行・行・動」だけですと、「妄動」ですね。有限の資源、例えば、時間。与えられている時間内で、「行・行・動」することを前提に、つまり「行・行・動」が出来る時間内に「知・言・考」ことをバランス良く行うことが、成功のポイントのようです。ついついバランス悪く、例えば、考えることに時間をかけすぎたり、動くことに時間をかけすぎたりしてしまいます。なかなか思うように行きませんが、バランス良くするということを意識するだけでも、結果は相当違ってくるのではないでしょうか?

 

「考え・動くの頻度を高めれば、経営の進化のスピードが上がる。」

 

「儲け創り=経営=マネジメントの成功のポイントは、
人と人とのコミュニケーションを良くすることです。」

 対社外的な=顧客とのコミュニケーションを良くすることが、マーケティング(=市場創り)で、対社内的な=社員とのコミュニケーションを良くすることが、オーガナイジング(=組織創り)です。このふたつの部分を上手にこなすことができれば、間違いなく、経営は、成功します。

 

「こうすると、あなたの会社も、売上10億突破!」


 

今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。

経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い満足・価値を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、高顧客価値・高粗利益・高社員価値経営を実現し続けましょう!


望月隆之の事業理念

私がこの聖堂(≒事業)を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂(≒事業)を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂(≒事業)はさらに壮麗なものになろう。

(アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)

 

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