週刊「儲け創り」通信

〜創刊125号 2005年1月22日〜
発信人 株式会社 船井総合研究所 第七経営支援部

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、「儲け創り(=経営=マネジメント)」のポイント をお伝えしていくものです。


 今週の「儲け創り」のヒント

「会社は、世の中のもの」
会社経営における「世の中至上主義」のススメ

「ハダカの王様」のハダカを暴いた子供としての「ホリエモン」の評価

「世のため、人のため、自分のため(船井幸雄)」
「自利利他(稲盛和夫)」
「公腹私腹(望月隆之)」

 企業の理念も、個人の人生の理念も、経営者であれば、いや、経営者だけではなく社員であっても、株主であっても、顧客であっても、会社に関わるすべての人が共通して持っているべき考え方は、「世のため、人のため、自分のため」をトレードオフ(両立できない)のものとして考えるのではなく、トレードオン(両立できる)のものとして考えるという考え方です。つまり、「会社に関係するすべての人(世の中、顧客、社員、株主、経営者)を立てる(→会社価値の向上)」ために、会社価値向上の主体である経営者は、日々考え動くべきであるという考え方です。そのように考えるのでなければ、会社も、個人も、存在価値がないとさえ言えるでしょう。これは、株式を公開していれば、当然のことですが、非公開会社においても、当然、必要な考え方です。つまり、会社は、世の中のものであり、一部の人の私腹を肥やすための道具ではないということです。経営者が、このように考えていないのは、論外ですが、それがたとえ、株主の意見であっても、企業価値の向上=公腹(こうふく⇔私腹)を満たすものという視点で、合理性のない意見であれば、排除されるべきです。この1点において、昨今の「株主至上主義」は、排除されるべき意見です。正しい考え方は、「世の中至上主義」です。株主さえも、世の中の一構成員に過ぎないからです。これは、法として明文化(=形式知化)されてはいないが、明文化されていない法よりも、さらに重要な日本人にとっての「暗黙知」ではないでしょうか。上手に言語化されたり、顕在的な意識とされたりしてはいないかもしれませんが、この「暗黙知」が、多くの日本人に共有化されていることは、世界に誇るべき日本人の美点だと思います。ですから、「株主至上主義」「金至上主義(金で買えないものはない)」の「ホリエモン」に対して、「日本の健全な大人」は、「日本人の美徳」を教えてあげればいいだけではないでしょうか?もっとも、「ホリエモン」本人が聞く耳を持つかどうかはわかりませんが、2006年1月22日の今なら、聞く耳を持っているかもしれません(笑!)。ちなみに昨年の今頃から起こったフジテレビ騒動をキッカケに、「ホリエモン」を、彼の価値以上に持ち上げる風潮に、「日本の健全な大人」は、眉をひそめる場面も多かったのではないでしょうか?また、その反動で、先週あたりは、必要以上にバッシングされているようにも感じますが。つまり、「ホリエモン」の価値は、ハダカの王様に対して、「王様はハダカだ!」といった「子供(!)」の価値であり、それ以上でもなければ、それ以下でもないというのが、私の評価です。つまり、すべてのステークホルダーのトレードオンを実現させるために、企業価値の向上のために、本来は、「懸命(=命懸け)」でなければならない経営者、フジテレビ騒動で言えば、○○会長さんが、じつは、「懸命」でないように見えたり、想像していたような素晴らしい能力の持ち主でないこと(=ハダカであること)を、「王様はハダカだ!」といって暴いたということだけでしょう。その行為は、たしかに「ホリエモン」のような「子供(!)」にしか出来なかったことで、それは、それで高い評価を与えてもいいことでしょう。しかし、所詮「子供(!)」のやることに対して、「日本の健全な大人」であるはずの人(団塊の世代に多かったようです )が、拍手喝采をする場面を見て、私は、非常に違和感を覚えていました。まあ、あの当時は、本人も聞く耳を持っていなかったと思いますが、今こそ、「日本の健全な大人」が、日本人の素晴らしい美点のひとつとして、共有化された「暗黙知」を教えてあげるべきではないでしょうか?「会社は世の中のもの」だよと・・・「私腹を肥やすことと同時に、公腹も肥やすことも考え、動かないといけないよ」とか・・・

 

今回、初めて、お読みいただいた方々のために、「儲け創り=経営」に関する望月隆之の基本的な考え方をお伝えします。

経営とは、「儲けを創り続ける事」です。それでは、ここで言う儲けとは、「顧客に満足していただくという意味でのパフォーマンスをアップし続けることと、そのパフォーマンスをアップすることにつながるコストは使い、逆に、つながらないコストをカットすることにより、その結果として、コスト総額をダウンし続けることから産み出されるもの」です。したがって、ハイパフォーマンスオペレーションとローコストオペレーションの組み合わせ=顧客の満足創りと、そのために必要なコストは使い、必要ではないコストをカットするという意味でのローコストを飽くことなく追求し続けることによって、粗利を付加し続けることこそが経営と言えます。つまり、顧客にとっての高い価値=満足を創り続けることが経営です。ということは、そのためのコストは、期待できるお買い上げ額に対する一定の比率以下であれば、いくらかけてもいいし、逆に、そのためにならないコストはたとえ1円であってもムダであり、そのような視点で様々な経営判断を行なうのが経営者、もしくは、経営幹部の仕事です。特に成熟した消費社会である日本市場においては、単なる価格訴求のローパフォーマンス=粗利を削減し続けることによる顧客の満足創りは、成功し続ける経営とは呼べません。さあ、皆さん、ハイパフォーマンスをローコストで実現し、「高顧客価値創造⇒高粗利益創造⇒高社員価値創造⇒高企業価値創造」経営を実現し続けましょう!


望月隆之の事業理念

私がこの聖堂(≒事業)を完成させることが出来ないことは悲しむべきことではない。私は年齢を重ねていく。代わってこの聖堂(≒事業)を再び始める他の者たちが現れるだろう。このようにして、聖堂(≒事業)はさらに壮麗なものになろう。

(アントニ・ガウデイ「ガウディの言葉」より)

ミレニアムプロジェクトジャパン (MPJ=日本発千年(=永遠)計画)への情熱の起点がこの言葉にある。


望月隆之の座右の銘

一期一日
 一期で一日
 今日という一日は、一生に一日しかないものとして、悔いのないように生きる。

一期一会
 一期に一会
 目の前にいる客は、一生に一度しか出会いのないものとして、悔いのないようにもてなす。

強い心と明るい心で生きていく。

 

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