週刊「儲け創り」通信 〜創刊40号 2004年5月9日 発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之 この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所をお伝えしていくものです。 今週の「儲け創り」のヒント
「人間好き」 経営者として成功するために最も必要な資質
現在、成長している企業が共通して持っている成長のための必須条件は、以下の3つだと思います。 経営者が、
@
グランドデザイン(=経営戦略)を描ける能力(仕組み創り能力=論理思考)を持っている。
A
そのグランドデザインを実行する社員を勇気づける能力(人間的な魅力)を持っている。 そして、 B実際に、その経営者についていく社員の存在。 @のグランドデザインの出発点は、その事業が創り出す商品&サービスの購入者である人間の生活における「需要」ですから、企業の外に対するという意味で対外的に、人間をよく知っていることがポイントということでしょう。そうすると、企業の内に対するという意味で対内的に、人間をよく知っていて、まさに「人心掌握術」を極めた形でのAやBも含めて、結局は、経営者が「人間のプロ(人間をよく知っている)」であることが、成長している企業の必須条件と言うことになります。人間に限らず、何かをよく知るためには、その何かを好きになることが一番の近道ですから、結局は、「人間好き」が、経営者として成功するために最も必要な資質と言えましょう。(逆に言えば、「人間好き」でない人間は、たとえ経営者になったとしても成功できないということでしょう。)
このあたりのことを船井総研名誉会長の船井幸雄は、「経営を考える時にもっとも大切なのは、経営はあくまで人間のやる行動であると心得ておくこと(99.9%成功する経営のコツ(ビジネス社)より)」と言っています。これが、まさに、経営の中心に人間を据えて、それにあわせて経営を行う「船井流」ということでしょう。まず、既製服を作り、それに人間の身体を合わせるように経営を行う非人間的な「チェーンストア理論」とは正反対です。「大量生産&大量流通&大量消費」社会の「チェーンストア理論」と、「ココロ満足」社会の「船井流」。現在の社会状況を考えれば、現在(というよりも、1970年代後半以降)、有効な考え方がどちらかは、申し上げるまでもないでしょう。ホームセンター大手のケイヨーさんがそのホームページ(http://www.keiyo.co.jp/)で、最近、業績が悪化してきているにもかかわらず、声高らかに「チェーンストア理論」の有効性を、未だに語っているのを見ると、「過去の成功体験と言う名の呪縛」は、本当に恐ろしいものだなあと、あらためて思います。
横文字をたくさん使ったマーケティング用語をいくら駆使して、カッコをつけても、結局は、その企業が創り出した「商品&サービス」を、「生身の人間」が買うか買わないかが、その企業の成功の鍵を握っているわけです。また、結果として、その企業の極めて高い労働生産性を創り出すのも「生身の人間」の創意工夫です。このように「生身の人間」を相手にして、社会的に存在する企業の経営とは、極めて泥臭いものだと思います。つまり、対外的にも体内的にも、企業自体が、「人間通」であることが、成功のポイントです。さらに言えば、「会社の命運は、99%までトップで決まる。(船井幸雄)」わけですから、その企業のトップが、成功を招くような「人間好き」であるかどうかが、その企業が成功するか、しないかを決めてしまうのだと思います。
残念ながら、それほど「人間好き」ではない経営者の方は、以下の3つの対応を取られることをお奨めします。 @「人間好き」であるかないかが、企業の業績を決めるほどの重要なポイントであることをしっかりと認識すること。 A「人間好き」になるように努力すること。 B「人間好き」な幹部を内部で育成するなり、外部から採用するなりの対応を取り、幹部として大切にすること。 |