週刊「儲け創り」通信

〜創刊41号 2004年5月16日

発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所をお伝えしていくものです。

 

 

 


今週の「儲け創り」のヒント

 

「人間好き」その後

@      外の人間(=顧客)とのコミュニケーションをマーケティングと言い、

A      社内の人間(=社員)とのコミュニケ−ションを(人と組織の)マネジメントと言う。

 

ふたつのコミュニケーションにおける成功のポイントは、

 

@      経験の蓄積を図りながらも、決して、その経験の蓄積におぼれずに、常に初々しい気持ち(=顧客の立場)で考え、動くこと

A      1対1、1対複数、1対多数のいずれの場合でも、常にマネジメントされる側の気持ち(=社員の立場)で考え、動くこと

 

今日は、Aの方の(人と組織の)マネジメントの成功事例をお伝えしたいと思います。日本経済新聞の朝刊に「交遊抄」というコーナーがあります。その5月14日(金)版は、現在、プロ野球のオリックスブルーウェーブのゼネラルマネ−ジャーを務めていて、かつては、阪神タイガースの監督でもあった中村勝広さんのお話でした。

「1975年の春先に後楽園球場で行われた巨人戦。阪神の二塁手であった私は続けざまに失策を犯した。吉田義男監督がグランドに出てきたから当然代えられると思いベンチに下がろうとした。「どうしたんだ」と呼び止める監督に「交代でしょう?」と答えた。すると「バカか。もうひとつエラーをせい」。意外な言葉に、どれだけ勇気と自身を貰ったことか。これほど信頼してゆとりを持ってプレーが出来る。その年は全試合に使ってもらい、キャリアで最高の成績を残せた。あの時、全シーズンまでのように代えられていたら、自身を失い試行錯誤を重ねていたかもしれない。今の私はなかったと思う。選手の心をつかむのが上手な方で、誕生日にわざわざ我が家を訪ね、カフスボタンを贈られたこともある。大きな信頼が人を、選手を育てる。」吉田義男監督としては、最初から、選手としての中村勝広の二塁手レギュラー定着に、自らの監督生命を賭けていたのかも知れないし、それだけの素質を見抜いていたのかも知れません。しかし、新監督としての春先の出来事です。よほどのことがない限り、普通は、代えてしまうところでしょう。しかも「バカか。もうひとつエラーせい」とは、よほどの人物でなければ、言えないでしょう。その時、その時の相手が置かれている状況にふさわしい言葉をかけられると言う、自らの心の中の余裕。決して自分(の心)本位ではない対応。相手(の心)本位。「言うは易く、行うは難し」。「耐えて、耐えて、大きな心を持つこと。大きな波でもびくともしないような大きな船になれ。(俳優 加山雄三 氏)」と言う事なのでしょう。経営者たるもの、そのように振舞うことが出来れば、自社の企業規模は、また一回り大きくなることでしょう。


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