週刊「儲け創り」通信

〜創刊42号 2004年5月23日

発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所をお伝えしていくものです。

 

 


今週の「儲け創り」のヒント

 

経営に対する「当事者意識」が、

社員を、単なる人材から、

人財(企業の財(たから)としての人)に変える。

 

どうすれば、経営者は、社員に、

経営に対する「当事者意識」を持たせることが出来るのか?

 

経営者の社員に対する「経営への参加を促進する行動=会議などを通して提案の創造を促進する「徹底して聞く姿勢(=自らの頭で考えさせる姿勢)」」が、

経営に対する「参加意識」や、「当事者意識」を、社員に持たせ、

人材を人財に変える!

 

社員の成長を「頭打ち」にする経営者になっていませんか?

 

経営者(的)人財を創るには?

 

経営者は、当然のことながら、自社の経営から逃れることは、どんな状況においても、決して、許されません。そのような「背水の陣意識」を持って業務に臨めば、たとえ、社員であっても、どんなに難しい問題であっても、解決できないことの方が少ないと思います。同じように、どんな業務でも、「傍観者意識」ではなく、「参加意識」「当事者意識」を持って業務を遂行すれば、成功できないことの方が少ないと思います。「傍観」社員は、言い換えれば、「指示待ち」社員です。「当事」社員は、「提案出し」社員です。もちろん、「傍観」社員、「指示待ち」社員を望んでいる経営者は、一人もいないと思います。しかし、結果として「傍観」社員や、「指示待ち」社員を創り出すような行動を取っていないでしょうか?経営の現場においては、日々問題が創り出され、日々その問題の解決に励んでいるわけですが、その解決の際に「指示出し」専門経営者になっていないでしょうか?「指示出し」専門経営者と「指示待ち」専門社員の組み合わせは、実は、ベストマッチですよね。


経営者の方が、永遠に「指示出し」専門経営者である限り、社員は、永遠に「指示待ち」専門社員です。もちろん、優秀な社員に、たまたまめぐり合うことが出来れば、「指示出し」専門経営者の企業にも「提案出し」社員が、育つこともあるでしょう。しかし、そんな優秀な社員は、ともすると、「指示出し」専門経営者のようなレベルの低い経営者の下では、いつまでも働いてはくれないでしょう。優秀な「提案出し」社員にとっては、魅力のある経営者=企業といえないからです。社員が、自らの頭で考え抜いた提案を待てる「提案待ち」可能経営者にならなくては、優秀な「提案出し」社員は育ちません。もちろん、社員の素質によっては、「提案待ち」は、有効に機能しない場合もあると思います。しかし、基本的には、問題の解決にあたり、すぐにその問題の解決策の指示を与えるのではなく、社員に、自らの頭で考え抜いた提案を待つことの出来る経営者であることが、「提案出し」社員を育て、人材を人財に変えることが出来る経営者であると言えましょう。

 

ところで・・・

 

 昨日、本日と、著しく業績を向上させ続けている企業の研修のお手伝いをさせていただきました。研修の内容は、7月の年度始めを控えて、幹部社員の方々に、来期以降の経営戦略を考えていただくものでした。もちろん、幹部とはいえ社員の考える経営戦略など経営者の方にとって見れば、取るに足らないものであることがほとんどです。しかし、ひとつでも経営者の方が経営戦略を考える上でヒントになれば、儲けものです。また、幹部社員の意識や能力のレベルも把握できます。しかし、それより何より、経営戦略の実行段階のことまで考えれば、実行の最前線に立つ幹部社員の方々に、「自らの頭で考え抜いた提案」を発表させることは、経営への「参加意識」「当事者意識」を持たせることになり、その実行段階での実行度が桁違いに上がることにつながります。「やらされ感」いっぱいの押し付け経営戦略の実行度と、「やりたい感」いっぱいの経営戦略の実行度の違いは、申し上げるまでもありません。


経営者が一人で考えた経営戦略と、「やらされ感」いっぱい実行幹部社員の掛け算の成果と、少しテマヒマはかかるが経営幹部と経営者が一緒になって創り上げた経営戦略(結果的には、内容は、ほとんど100%、経営者の考えたもの)と、「やりたい感」いっぱいの実行幹部社員の掛け算の成果は、どちらが高いかということです。実行段階のことまで考え、最終的に得られる成果との関係で考えれば、目先のテマヒマなど充分に吸収できるものです。幹部社員を巻き込むほんの少しのテマヒマを惜しんで、実行度を落とし、成果を少なくしてしまうと言うのは、まさに経営の根幹であるコストパフォーマンス意識の薄い、経営者にあるまじき行為と言えるでしょう。おかげさまで、昨日、本日の企業の研修は、素晴らしい経営者のリーダーシップにより、成功することが出来たと思います。あらためて、企業は、経営者で99.9%決まるものだと思いました。この企業の来期以降の更なる成長が約束された研修となったと思います。


トップへ戻る       バックナンバーへ戻る