「儲け創り」通信

〜創刊48号 2004年7月4日

発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所をお伝えしていくものです。

今週の「儲け創り」のヒント

「入力⇒加工⇒出力」

 

 問題の解決を図るためには、まず、問題の所在を明確にすることが、大切になります。当然のことながら、問題の所在を間違えると、解決策は焦点の当て方を誤ったものになり、問題の解決に至らないからです。では、どうすれば、問題の所在を明確にできるのでしょうか?論理的に思考(ロジカルシンキング)することがポイントになります。例えば、「入力⇒加工⇒出力」と言うような形に当てはめて考えますと、例えば、成果としての出力がうまくいかない場合、入力に誤りがあるのか、加工に誤りがあるのかが把握しやすくなり、問題の所在を捉えやすくなります。

 商品開発や、商品選択を行う業務をされている方にアドバイスをする機会が良くあります。成果としての出力がうまくいかない方の場合、良くあるのが、入力情報の偏りです。どういうことかと申しますと、生活関連ビジネスにおける商品開発や、商品選択を行う業務の場合、始点は、当然のことながら、生活者の泥臭い生活の現場にあります。このことを忘れて、もしくは、入力情報が少なくして、どんなに加工の腕を磨いても、当然のことながら、決して、良い成果は生まれません。こんなことは当然のことで、頭ではよく理解しているつもりの方が多いのですが、日常の業務を進めていく上で、ほとんどの時間を、提供者側の人との商談や、打ち合わせで過ごしているのが多くの場合でしょう。そうすると、頭では理解しているつもりかもしれませんが、頭の中は、知らず知らずのうちに提供者側の論理で一杯になってしまっています。「もっと売りたい、もっと儲けたい」肝心要の生活者=お客様=購入者側の論理などどこかに吹っ飛んでいます。そんなことでは、いい成果を上げることは出来ません。成果を上げるためには、加工の腕を上げるのは、もちろんのこと、入力情報の偏りを正すことです。意識的に生活者の立場にたつ時間を創り出す事です。もちろん、時間の量は、提供者側の論理の時間が長くなってしまうものですが、時間の質で勝負です。短い時間でもいいから、集中して、購入者側の論理にたつ時間を創り出す事がポイントです。意識的に創り出さないと、流されて業務をこなしていると、99.9%提供者側の論理の中で業務を行うことになってしまうものです。その意味でも、商品開発や、商品選択の部署や担当は、「顧客別に組織すること」が大切になります。「誰に、何を、どのように」は、ビジネスの基本ですが、「何を」にあたる商品について考えるのは、いろいろな商品を担当しても切り替えることが可能ですが、「誰に」にあたる顧客について考えるのは、いろいろな顧客を担当すると、なかなか切り替えられないからです。そして、さらに大切なのは、その生活者の対象を絞り込むことです。スーパーヘビーユーザー化した生活者は、「自分(の価値観)にピッタリ!」でないとお買い上げになりませんから。さらに大切なのは、日々変化し続ける生活者のスピードに、しっかりと伴走するようなイメージでピッタリとくっついて離されないように努力をすることです。

 話を元に戻して、「入力⇒加工⇒出力」です。例えば、チームのリーダーとして、チームの生産性の問題を解決したい時にも、問題の所在を明確にするのに役立ちます。

  売上という出力を上げるために、入力としての時間は有限ですから(能力の問題はここでは考えずに)、ポイントは加工にあることは、申し上げるまでもありません。その際のポイントは、売上という出力との関係で、劣後順位の高い業務をさせていないかどうかを点検することです。もしくは、優先順位の高いものからさせているかを点検することです。実際には、劣後順位どころか、優先順位さえも付けずに業務を行っている場合が非常に多いのが実態です。残念ながら、手当たり次第に業務を片付ける!ような方が多いのが実態です。その場合は、まず、業務の優先順位をきちんとつけた上で、業務をやらせることです。

 

トップへ戻る       バックナンバーへ戻る