週刊「儲け創り」通信 〜創刊50号 2004年7月18日 発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之 この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点をお伝えしていくものです。 今週の「儲け創り」のヒント 「使われ上手は、使い上手」 コミュニケーションの達人は、 マーケティングの達人であり、 (人と組織の)マネジメントの達人でもある。 なぜなら、マーケティングもマネジメントも、その対象は、人であり、 その人とのコミュニケーション能力の有無、高低が、 マーケティング能力や、マネジメント能力の有無、高低を決めるからである。 コミュニケーション対象が異なる場合でも、コミュニケーションを成功させるには、「営業系、商人系の業務能力」と「技術系、職人系の業務能力」と言う、いわば正反対の能力が求められる。これは、個人の場合でも、法人の場合でも同様である。法人の場合、異なる個性が協業することにより、成功を手に入れることができる。これが、組織の強みである。しかし、協業は、簡単にできることではないので、弱みにもなりうる。 個人の場合、成功するためには、この正反対とも言える能力を一体の中に持たなければならないので、さらに大変である。様々な組織の様々な人に対してアドバイスを行う経営コンサルタントと言う仕事をしていると、この難しさがよくわかる。「技術系・職人系の業務能力」を中心に労働力を提供している人は、見事なまでに、「今、目の前にいる人の求めていること」に対する関心が薄い。自分の中の論理の緻密さだけに関心があり、もちろん、それも大切なのだが、コミュニケーション(≒マネジメント≒マーケティング)を成功させる最重要ポイントである、「今、目の前にいる人の求めていること」に対する関心がないに等しい。「今、目の前にいる人の求めていること」に対する関心がない人は、マネジメントもマーケティングも成功させることは出来ない。 その逆で「営業系・商人系の業務能力」を中心に労働力を提供している人は、見事なまでに「論理の緻密さ」に関心がない。「今、目の前にいる人の求めていること」だけに関心があり、もちろん、それは、最も大切なことなのだが、「論理の緻密さ」のない提案では、やはり、コミュニケーション(≒マネジメント≒マーケティング)を成功させることはできない。 もちろん「真の経営者」は、どちらが始点でも良いから、両方を兼ね備えるように努力をするか、「自分の相方」を共同経営者に迎え入れるかが大切である。ホンダの本田さんと藤沢さん等の事例を上げるまでもなく、大成功した企業に欠かせない要素である。 常日頃の「論理の緻密さ」の積み上げと、顧客などコミュニケーション対象の前での臨機応変(=場の雰囲気を読む=洞察)の対応が、成功の鍵を握る。ミュージシャンで言えば、レコーディングの作り込みも得意だが、観客を前にしたライブも得意でなければならないのである。顧客や、上司、部下などのコミュニケーション対象に上手に使われることが出来る人は、上記の論理を理解し、実践出来る人である。そんな使われ上手は、人を使う立場にたっても使い上手のようである。
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