本格的な「プレミアム理論」の時代到来!

「ローコストオペレーションのススメ(が中心)」のチェーンストア理論の時代が「終わりの終わり」を迎え(「終わりの始まり」は、1970年代後半)、いよいよ、「ハイパフォーマンスオペレーションのススメ(が中心)」の「プレミアム理論」の時代(始まりの終わり)の、本格的な到来です!

(業績を向上させ続ける(=必勝もしくは、不敗)という経営の目的に対して、それを達成させる手段としての経営理論。手段は、所詮、手段なのですから、時流の変化に対応して、目的が達成しやすいものにどんどん乗り換えることが大切!手段にこだわっていて(=過去の成功体験のこだわって)は、目的は達成できません!乗り換えることが出来ないのは、手段にこだわっている場合よりも、既に、変化対応するための戦意や戦力が喪失してしまっている場合(=ゆでがえる状態!)の方が、現実には多いのですが)

 昨年の秋に、「ハイパフォーマンスオペレーションのススメ(が中心)」実践的!経営理論である「プレミアム(価値の割増)理論」を、お話してから、早いもので、半年以上の時が経とうとしています。その半年の時の流れの中で、「チェーンストア理論」や「低粗利益による低価格を売りモノにした商品、サービス、業態、企業(=低粗利益を売りモノにするという経営の邪道)」よりも、経営の王道である「高価値を売りモノにした商品、サービス、業態、企業」が目立ち始めています。そのものズバリで、「プレミアム・・・」と言ったネーミングの商品・サービスを、よく目にするようになってきました。

 「顧客(が求める)価値」を、高いコミュニケーション能力で「洞察」し(=単に顧客の表面的な話を鵜呑みにするのではなく)、その洞察した結果を元に「緻密な論理の積み上げ」で商品化し、再び、高いコミュニケーション能力で「提案」するという一連の流れ。しかも、「顧客(が求める)価値」は常に変化しつづけるので、全力でその変化に対応し続けるという営み。これこそが、経営の王道。既に存在する価値はそのままで、蛸が飢えた時に自分の足を食べてしまうような形で、粗利益を削って低価格を売りモノにするという経営の邪道。もちろん、チェーンストア理論は、合理的なローコストオペレーションをススメるもので、立派な経営理論であり、経営の邪道ではありませんが。ハイパフォーマンスオペレーションを中心に考えていないという点で、両者共に、今と言う時代が求めているものに応えることが不可能になってきています。

 日本経済新聞社が四半期ごとに行っている日経消費DI調査の最新版では、個人消費が堅調な回復を見せているとのことです。業種業態別では、住宅、旅行・運輸、スポーツ・健康・教養、レンタル、クレジットカードが良いとのことです。百貨店、スーパー、専門店、訪販・通販、生協・農協、コンビニ・スーパー等の物販は軒並み悪化とのこと。いよいよ、満腹社会ここに極まれりと言うことでしょう。生活者は、単なる商品(モノ)は、もういらないのです。楽しい空間で、楽しい時間を過ごしたいのです。だから、その支援をするサービス業が、軒並み良くなってきているのです。商品(モノ)不足の時代は、生活必需品を買うことさえ、楽しみのひとつでしたから、物販の場所は、楽しい時間を過ごす、楽しい空間でした。しかし、今は違います。商品(モノ)余りの時代なのですから、繰り返すようですが、欲しいのは、楽しい時間を過ごす、楽しい場所なのです。では、何をやっても、物販はダメなのでしょうか?そんなことはありません。楽しい時間を過ごすための商品(モノ)を品揃えしたり、店舗自体が楽しい空間になればよいのです。そんなに難しいことではありません。しかし、「ローコストオペレーションのススメ(が中心)」のチェーンストア理論しか知らない経営者にとっては、楽しい時間を過ごすための商品(モノ)を品揃えすることはともかく、店舗自体を楽しい空間にすることはとても難しいことのようです。いや、ひょっとするとわかりたくないのかもしれません。チェーンストア理論で業績を上げてきた過去の成功体験にすがって生きていくほうが楽ですから。天動説が地動説に変わるくらいの出来事ですから、その現実を受け入れたくないのかもしれません。しかし、経営の目的は、業績を上げることであり、経営理論は、手段に過ぎません。単なる手段ですから、時代に合わなくなったのなら、さっさと切り替えればいいだけのことなのですが。もちろん、たんなる手段といっても、基本的な考え方から、全体の業務の仕組みまですべてを変えなくてはいけないのですから、経営者だけならまだしも、何千人と言う社員をすべて教育しなおさなければいけないとなると、嫌になってしまう気持ちもわからないではありませんが。しかし、変わることを拒否する個人も法人も、その先に待っているのは、滅亡だけです。あらゆる物販企業は、時代が求める経営理論である「プレミアム理論」に切り替えるべきです。「ハイパフォーマンスオペレーション(が中心)」の考え方に切り替えるべきです。でなければ・・・滅亡あるのみです。

 日経MJ(7月15日(木))の記事に「大手HC(ホームセンター)、既存店売上高が低迷」というものがありました。消費税の総額表示で客単価が下落しているのが、直接的な原因とのことですが、実は、客数も減少しています。また、ナフコは、20ヶ月連続、ホーマックとカーマは、16ヶ月連続等、大手のほとんどが、長期間連続して、前年同月比を落としています。直接的な原因は、確かに消費税の総額表示かもしれません。しかし、問題の本質は、ホームセンター業界が、出店競争の時代の終わりを迎え、過剰店舗の状況の中で、次の戦略を見出せないということでしょう。要するに、経営者の怠慢です。1ヶ月のプラスをはさんで10ヶ月以上のマイナスを続けているケーヨーの経営者などは、「それでもチェーンストア理論が正しい!」と言い張っているようですが、私に言わせれば、ここまで来ると犯罪ですね。取引先や社員の家族まで含めると何千人の人間の生活を背負っている企業のトップが、この程度では、社員がかわいそうすぎます。まあ、トップ以上の社員がいるわけはないですから、社員も自業自得といってしまえばそれまでですが。たかが、経営理論、「プレミアム理論」に命を懸けて取り組めば、業績回復も夢じゃない。まずは、お客様をきちんと見ること、そこからはじめていただきたいものです。

 

 

 

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