週刊「儲け創り」通信

〜創刊53号 2004年8月8日

発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人) 望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、 【高い顧客価値&満足 ( の創造 ) ⇒高い粗利益 ( の創造 ) ⇒高い社員価値&満足 ( の創造 ) 】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点 をお伝えしていくものです

今週の「儲け創り」のヒント  

「ライフスタイルの変化に、すべてのビジネスチャンスがある(眠っている)」

 ライフスタイルは、日々、刻々と変化しています。変化し続けています。昨日のライフスタイルは、今日のそれではなく、まして、明日のそれであるわけがありません。そして、ライフスタイルが変化し続けているということは、その担い手である生活者自身が変化している、変化し続けているということです。そうすると、当然のことながら、生活者が求める価値も、変化し続けているわけです。であれば、その生活者を顧客とする「生活関連ビジネス」における商品&サービスの提供者は、まず、 @変化し続ける顧客(が求める)価値を、「見る+聞く +読む」等によって具体的な変化情報を入手し、 洞察(具体⇒抽象) して、その変化の本質を掴むこと が大切になります。次に Aその抽象的な本質を 変換 もしくは 翻訳(抽象⇒具体) して、具体的な商品&サービスを創ること。 最後に、 Bその商品&サービスの魅力(=売りモノ)を、顧客の心に 伝達 すること となります。@洞察A変換B伝達の三位一体の能力を身に付け、実行できれば、ビジネスチャンスを活かすことが出来ます。

 しかし、昨日(=過去)の顧客(が求める)価値に応える商品&サービスを提供することで、企業規模を拡大してきた会社は、その成功体験が慢心を生み、もしくは、惰性に流される形となり、今日(=現在)の顧客(が求める)価値は、もちろんのこと、まして、明日(=未来)の顧客(が求める)価値を提供すること等できるはずがありません。じつは、そこに今日(=現在)の発展途上会社の成長の源泉があります。過去の実績による現在の大企業に対して、現在の中小、零細企業が、未来の企業規模を拡大するチャンスがあるのです。

「明日(=未来)の顧客(が求める)価値を創造すること。それがワンランク上の価値を@感じて、A創って、B伝える。そう、それがプレミアム。プレミアム商品の偉大なる成功事例のひとつとしてのソニーのウォークマン」

 2004年7月でソニーのウォークマンは、25周年、四半世紀を迎えたそうです。2003年度末までに累計で3億4000万台を出荷し、オックスフォード現代英英辞典にも一般名詞として載っているそうです。そんな偉大な商品であるウォークマンは、発売当初、 音のよさで顧客の感動を創り、価格の高さでも感動(?)を創った そうです。ちなみにウォークマン一号機は、3万3千円もしたそうです。都立高校の学費1か月分が4800円だったそうですから、ウォークマン1号機は、その7か月分もしたんですね。確かに高い!しかし、売れた!とてつもなく売れた! 100%独自で、しかも高い(顧客が求める)価値を持つ商品であることが、高くても売れるポイント です。ウォークマンほどではなくても、商品として成功するためには 「独自化と高価値」 が基本といえるでしょう。

 小売業でいえば、「業態」こそ「売りモノ」であり、製造業における「商品」そのものです。他社との差別化=独自化と高価値を表現し、世に問うべき「業態」において、その コンセプトを考えることもなく 、したがって、どこかの誰かが創った業態の うわべだけを真似て 、しかも「低価値」なものを、顧客に無理やり買わせようとするから、価格を下げなくてはいけなくなる。しかも、仕入れ価格を下げることも出来ずに販売価格を下げるという暴挙(!)に出るから、粗利益は減ることになります。すぐにとはいかないが、粗利益が減るということは、人件費を減らさなくてはならないということになります。「独自化&高価値」という「知恵」がない場合、その「知恵」の対価としての粗利益が減り、そこに働く「知恵」なき経営者&社員の人件費が減るのは、当然といえば当然のことです。年収を増やしたければ、粗利の多い会社、つまり、「独自化&高価値」という「知恵」の多い経営者&社員にならなくてはいけません。

「独自化&高価値」の事例としては、最近では、「アイポッドミニ」があります。2年位前からのいわゆるブランドショップの旗艦店も、その事例として上げられるでしょう。いずれの場合も、このモノ(=商品)余りの時代に、顧客は、行列をしてまで買おうとしています。徹夜で行列することもあるようです。 「顧客が行列してくれる店舗、そして、商品」 これが、「独自化&高価値」のある商品&店舗の具体的な現象と言えるでしょう。 企業であれば、価格を下げなくては買って頂けない商品&店舗を創るのではなく、非常に高い粗利益を頂いても行列して頂ける商品&店舗創りを目指すべき でしょう。会社という手段・道具は、経営者が、世に問うべき何かがあるという目的があってはじめて、力を発揮するものでしょう。つまり「独自化&高価値」を目指さない会社というのは、存在理由がないといっても過言ではないでしょう。そんな会社は、すぐにでも、現世から退場すべきでしょう。

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