週刊「儲け創り」通信

〜創刊55号 2004年8月29日

発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点をお伝えしていくものです。

 

今週の「儲け創り」のヒント

「経営の構造」を理解し、経営を成功させる。

 経営者が、経営を(本気!で)成功させたいと思うのであれば、「経営の基本的な構造」を正しく理解することが必要になります。つまり、「経営の基本的な構造」を正しく理解することなく、経営を成功させることは「絶対に」出来ないということです。また、経営を成功させるという目的のために、その手段のひとつとして「経営の基本的な構造」を正しく理解しようと勉強するのであって、「勉強するために勉強する」ものではありません。成功の三条件のひとつでもある「勉強好き」なことは非常に結構なのですが、勉強すること自体が目的になってしまっている経営者の方を見ることも少なくありません。しかし、勉強は、あくまで経営を成功させることを目的とし、その手段のひとつとして行うものです。また、生まれつきの天才経営者であれば、話は別でしょうが、生まれつきの天才経営者でない限り、経営を成功させたいのであれば、様々な形で勉強し続け、経営の基本的な構造を理解することなどが必要になると思います。経営を成功させたいという思いはあるが、なかなか成功できない経営者の多くは、経営の基本的な構造を正しく認識していない場合が多いので、望月が考える経営の基本的な構造についてお話をしたいと思います。

 まず、大切なことは、@、経営者としての自分が相対する顧客を特定することです。経営者としての自分の能力が無限であれば、不特定でもかまいませんが、自分の能力が有限であれば、有限の能力しか持ち合わせていない自分が相対する顧客を特定すること。現在、持ち合わせている「力相応」で、相対することができる顧客を特定することです。自分が持っている能力以上に多くの顧客を想定してもうまくいきませんし、能力以下の少ない顧客を想定してももったいない話です。未来の話は、また別です。大切なのは、その時その時に、自分が持っている能力にふさわしい「力相応」の顧客を特定することです。顧客を市場という言葉に言い換えても結構です。

 次に、A、特定した顧客(=市場)との関係を良くする、良くし続ける「商品(&サービス)と販売の仕組み」を、創り続けることです。ここまでの@とAのことを別の言葉で言い換えれば、「マーケティング」ということになります。経営者としての自分、もしくは自社とお客様との関係を良くし続けることを思考し、行動することが「マーケティングをする」ということになります。

 その次に、B、その「商品(&サービス)と販売の仕組み」を、「経営者の代行」として遂行し続ける個人と組織を創り続けることです。このことを別の言葉で言い換えれば、「個人と組織のマネジメント」ということになります。経営者としての自分と自社の社員との関係を良くし続けることを思考し、行動することが「個人と組織のマネジメントをする」ということになります。「個人と組織のマネジメントをする」ということは、「経営の意思とそれに基づく行動を、社員に徹底させる」ということです。つまり、自社の社員が「経営者の代行」として、経営者が満足できる結果を出すという目的を果たすために、「個人と組織のモチベーションアップ」という手段を使うということです。そのことが理解できれば、人事評価処遇制度に限らず、自社の社員とのありとあらゆるコミュニケーションの機会は、個人と組織のモチベーションアップを目的として行われる必要があるということです。ですから、モチベーションダウンとなるようなコミュニケーションを、平気で行っている経営者は、基本的な経営の構造が全く理解できていないということになります。経営者が、自社の社員とのありとあらゆるコミュニケーションにおいて、どのような立ち居ふるまいをすれば、自社の社員が経営者代行としてモチベーションが高い状態で動くのか、基本的な経営の構造さえ理解していれば、その実践策、具体策はさほど難しくないといえるでしょう。

 最後に、C、@とAとBという過程を行った結果としての利益を創り続けることです。このことを別の言葉で言い換えれば、「経営全体としての広義の意味でのマネジメント」ということになります。

 

 

 以上のように考え動くことが、経営コンサルタントとして「実践的な理論(=考え)」をお話するということになります。このような話を受けて、経営者の皆様方におかれましては、「理論的な(=考えのある)実践」を行っていただきたいと願っております。経営者にとっての勉強とは、経営を成功に導くことに欠かせない「理論的な(=考えのある)実践」を行うために「理論(=考え)」を学ぶということです。「理論のない実践」、「考えのない行い」では、成功を手にすることは出来ません。だから、成功を手にするためには、理論(=考え)を学んでください。もちろん、「理論(=考え)のための理論(=考え)」ではなく「実践的な理論(=考え)」を学んでください。そのために、経営コンサルタントの側も「理論(=考え)のための理論(=考え)」ではなく、経営者の方々が実践される時に、効率よく成功を手に出来る理論、つまり「実践的な理論(考え)」をお話出来なくてはなりません。そのような「実践的な理論(=考え)」をお話するために、経営コンサルタントは、様々なことから学び続ける必要があるのです。@情報を入力し、A「実践的な理論」に加工し、B経営者の方々が理解しやすいように出力する。この一連の過程が経営コンサルタントの日常であり、その結果として経営者の皆様方にご満足頂き、コンサルティングフィーを頂くことまでを含めて、循環させきることが出来れば、「善循環」の完成です。さらに質の高い「入力⇒加工⇒出力」、さらに量の多い「顧客」との「善循環」を創り出すべく、日々、精一杯でいきます。あらためて、よろしくお願いいたします。

 

 

トップへ戻る       バックナンバーへ戻る