週刊「儲け創り」通信

〜創刊61号 2004年10月10日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質をお伝えしていくものです。

今週の「儲け創り」のヒント

株式公開レベルの企業経営における『実質』創りA
追加

「トレードオフ(二律背反・ジレンマ)」

を、両立させる、解決する、または、

自分と仕事の間に、自分と他人に間に、自分と会社に間に、

自分を取り巻くすべての環境との間に、「Win−Win」の関係を創るのが、

ビジネスの本質であり、

プロフェッショナルの仕事と呼ぶにふさわしい仕事

 

 じつは、そもそもビジネス=事業=商売というものは、「売り」と「買い」という関係を成立させるものです。「生産」と「消費」という関係を成立させるものといっても良いでしょう。「売り」と「買い」の事を、我々は「売買」などと簡単に、ひとくくりに言ってしまいがちですが、よくよく考えてみると、じつは、「売り」と「買い」の間には、全く相関関係がありません。「売り」には、「売り」の立場(=販売本位)、意識、思惑があり、「買い」には、「買い」の立場(=購買本位)、意識、思惑があるものです(だからこそ、販売者は、ビジネスで成功したければ、「購買本位」になる必要があるのです。)」「生産」と「消費」も同様です。「コスト」と「パフォーマンス」も同様でしょう。購買する立場から見れば、どんなパフォーマンス(=商品&サービス)が、どんな売価で提供されるかについては関心がありますが、それにどれほどのコストがかかっているかは、全く関心のないことです。販売されるパフォーマンスと売価のバランスがよければ(パフォーマンス≧売価)買うし、悪ければ(パフォーマンス<売価)買わないということだけです。コストとパフォーマンスの関係で言えば、どれだけ高コストであっても、パフォーマンスと売価のバランスが悪いと購買者が思えば、そのパフォーマンスはお買い上げいただけないのです。逆に、どれだけ低コストであっても、パフォーマンスと売価のバランスが良いと購買者が思えば、そのパフォーマンスはお買い上げいただけるのです。未だに存在するレベルの低い生産者&経営者は、このコストとパフォーマンスの仕組みがわからずに、コストをかけたものが売れる(!)などと考えていたり、コストがかかっていないものが飛ぶように売れる現実=それを喜んで買っている消費者を見て、「モノの価値を知らない」などと馬鹿にするようなことさえあるようです。しかし、「モノの価値を知らない」とか、「ビジネスの本質を知らない」のは、じつは、消費者のほうではなく、訳知り顔で消費者を馬鹿にしている生産者&経営者のほうです。「コスト」と「パフォーマンス」には、全く相関関係などないというのが、「ビジネスの本質」なのですから。逆に言えば、このように、実は、全く、相関関係がないものを、関係付けて、より多くの利益を生み出すのがビジネスということが出来ます。ですから、「無」から「有」を創り出すのが最も効率的なビジネスの姿といえますね。

ですから、「トレードオフ」なんだから、両立させることなど出来ないと考えてしまうことは、そもそもビジネスを行う資格などないということになりますね。「トレードオフ」だから両立できないという答えで終わらせてしまうのが「学問&学校の世界」で、「トレードオフ」という状態、そこから始める&始まるのが「ビジネスの世界」ということです。単純肉体&単純知識労働は別として、何らかの「企画&実行」を求められる職種(事務所勤務のほとんどの職種!)であれば、自らの給与の源泉は、その問題の解決策を考え行うことにあるにも関わらず、はじめから「考え行うこと」を放棄してしまうというのは、一体どういうつもりなのでしょうか?「自分の報酬≦仕事の成果」が基本であるにも関わらず、「問題解決策」を考え、行い、利益という成果を、組織にもたらすことを放棄している存在というのは、いかがなものなのでしょうか?ビジネスの世界でお金を稼ぐという立場に立つことが出来ないわけですから、もう一度「学校」という授業料を払う立場に戻るべきでしょうね。お金だけは貰っておいて、「問題解決策」を考えないというのは・・・

そもそも「トレードオフ」である「売り」と「買い」を、「生産者」と「消費者」が登場する「市場」において、その「生産者」と「消費者」との間に成立させる(=Win−Win)ということが、『マーケティング』というものなのです。だから、「マーケティング」は、「コミュニケーション」なのです。対社内的な「コミュニケーション」を「人と組織のマネジメント=組織化(オーガナイズ)」と言うことの対比で言えば、対社外的な「コミュニケーション」が「マーケティング」ということなのです。ちなみに、人と組織のマネジメントにおいて、経営者と社員も、一見すると、トレードオフの関係があるように見えますが、実は、簡単に問題解決を図ることが出来ます。つまり、Win−Winの関係に変える事が出来ます。営業利益の増加と人件費の変動部分の増加を、経営者と社員の目標とすればよいのです。経営者側の経営情報の公開と、人事(評価処遇)制度の改革が必要になりますが、この仕組みは、非常に強い組織を創り上げることが出来ます。強い組織創りのための「仕組みの改革」と「意識の改革」の詳細については、「マーケティング+オーガナイズ=マネジメント」コンサルタント・望月隆之まで、別途ご相談ください(笑)。


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