週刊
「儲け創り」通信

〜創刊64号 2004年10月31日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質をお伝えしていくものです。

  

 


今週の「儲け創り」のヒント

 

株式公開レベルの企業経営における『実質』創りB

「トップの役割(理念の戦略化・木の幹)

ミドルの役割(戦略の戦術化・木の枝)

ボトムの役割(戦術の戦闘化・木の葉)」

トップとミドルとボトム、木の幹と枝と葉が、文字通り「一体」となって成果を創るために、

それぞれに異なる役割を、それぞれがきちんと果たすということ

 

 経営の本質は、いろいろな形で表現することが可能です。その表現のひとつに、「経営とは、創業者の経営理念を、「戦略→戦術→戦闘」というプロセスを通して、現実化させていくものである」というものがあります。その現実化のプロセスを組織内の階層の役割に当てはめてみますと、トップの役割は、経営理念を土台とした戦略の構築であり、ミドルの役割は、戦略の戦術化=抽象の具体化であり、ボトムの役割は、その具体的な戦術を実行すること=戦闘ということになります。

 業界を問わず、年商50億くらいまでの企業には、ボトムの役割しかこなすことの出来ない人財しか、残念ながら、入って来ないようです。ですから、その際にトップは、経営理念を土台とした戦略を構築するだけでなく、本来ミドルの役割である、より具体的な戦術に変換させ、ボトムに徹底させ、実行させるところまで行わないと業績は上がらないのです。「抽象を理解し、より具体的な戦術に変換できる能力の高い社員」=ミドルの役割を担える社員は、年商50億を超える頃から、どうにかやっと入ってくるようになります。ですから、その時までは、トップは、ミドルの役割も果たさなくてはならないのです。もちろん、創業メンバーの中に、はじめから能力の高い社員を揃えている場合もありますし、企業の成長とともに成長するようなポテンシャルの高い社員に恵まれる場合もありますが、割合としては、例外に属するようです。創業トップの経営観にもよりますが、成長のスピードを何より重視する創業経営者の場合、例えば、ユニクロの柳井さんのような場合、あとから続々と入ってくる中途採用の社員が、ミドルの役割を果たすということになります。創業当時からの社員は、社歴は長いが、相変わらず、ボトムの役割を果たすということになります。もちろん、その一方で、ユニクロの柳井さんと違い、社員の成長とともに、企業も成長すればよいと考える創業経営者もいますが、株式を公開している場合、株主がそれを認めるかどうかという問題もでてくるでしょう。(これは、企業統治の問題にもなってくるので、ここでは、これ以上、話を進めませんが。)

 ミドルの役割であり、ミドルの最低必要条件のひとつは、「本質や抽象を理解できる能力があるかどうか」です。さらに突っ込んだ言い方をすれば、「本質や抽象を理解し、具体に翻訳できる力があるかどうか?」です。「幹・枝・葉」というたとえでいけば、これが「枝」の役割です。良い「枝」社員、欲しいですね!!!社長!

 

 

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