週刊「儲け創り」通信
〜創刊70号 2004年12月12日〜
発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部
チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之
この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質をお伝えしていくものです。
今週の「儲け創り」のヒント
「戦略(抽象、建前)を、
戦術(具体、本音)化する時に、
経営(=経営者)の真贋が問われる」
〜戦略(抽象、建前)と戦術(具体、本音)の「一体化」経営のススメ〜
抽象的な戦略を、具体的な戦術(=コストのかけ方=お金の使い方)レベルに落とし込む時に、経営(=経営者)の真贋が問われます。戦略が建前で、戦術(=コストのかけ方=お金の使い方)が本音であると考えれば、「キレイゴト」だけは並べたてるけど、その「キレイゴト」を現実化させるために、多くのお金を使わないような、建前(=戦略)と本音(=戦術)の不一致経営には、当然のことながら、未来はありません。建前(=戦略)と本音(=戦術)の「一体化」こそが、成長し続ける経営を創り出します。戦略(=建前)にふさわしい戦術(=本音)の選択をしましょう!
効果(=パフォーマンス)の大小にふさわしい、費用(=コスト)の多少を判断し、選択し、実行するのが経営の基本のひとつです。もちろん、少ない費用で大きな効果を生むことがベストです。なぜなら、利益(=プロフィット)の最大化が図れるからです。つまり、ここが経営者の才覚の最高の見せ所。つまり、ここが経営の本質です。
つまり、経営とは、何をどれくらい手に入れる(=効果)ために、何にどれくらいのお金を使う(=費用)のか?のバランスを取ることです。極めて、当たり前のことのようですが、現在、貴社では、貴社の経営戦略(=経営者の考え)にふさわしい「費用対効果」の戦術(具体)が採用され、実行されているでしょうか?例えば、品質で業界ナンバーワンを目指すと戦略レベルで言っておきながら、品質向上に関する費用を業界ナンバーワンを目指すレベルでかけているでしょうか?品質で業界ナンバーワンを目指すといっておきながら、最も費用をかけるのは、営業系の、例えば、広告宣伝費などに最もお金をかけていないでしょうか?そんな戦略と戦術の不一致経営を行っていないでしょうか?建前としての戦略は、素晴らしいが、本音としての戦術は、その素晴らしい戦略を反映させたものになっていないなんていうことはないでしょうか?もし、貴社がそんな状態であれば、それは、顧客の目には、どのように映るのでしょうか?あえて申し上げるまでもなく、全く信用の出来ない詐欺会社と映ることでしょう。意図してやっていれば、完璧に詐欺ですが、意図していないとしても、詐欺まがい会社の汚名を着せられることは、間違いないでしょう。意図してやっているのは、論外ですから、問題は、意図していない場合です。図らずに「戦略(建前)は戦略(建前)」、「戦術(本音)は戦術(本音)」となってしまっている場合です。もしくは、費用対効果を、具体的な数値による勘定を行っていない場合、わかりやすく言えば、いわゆるどんぶり勘定の場合です。もしくは、マネジメントの力量不足で、図らずも戦略の戦術化の際に、正しく戦術化できていない場合です。経営者は、自分の立てた戦略通りに費用が使われているかを具体的な数値を持って統制すべきです。創業経営者は、2代目経営者や、サラリーマン経営者にはない、創業経営者だけが持つ独特の「勘」があるようですが、年商が50億を超えるようになってきたら、具体的な数値を把握した上で、その独特の「勘」を働かせるべきです。具体的な数値を把握することによって、自分の立てた戦略とは、少し違ってものになっていないかどうかをチェックすべきです。お金に関しては、このように費用の使い方で、戦略と戦術の一体化をチェックすべきですし、実は、人に関しては、どのような評価処遇制度を採用し、現実に評価処遇を行っているかをチェックすべきです。そうすることで、初めて、人に関する戦略と戦術の一体化が図られるのです。
話がそれましたが、再び、お金のほうの話に戻します。
「戦略と戦術の一体化」の次に重要な点は、「費用対効果」の精度を高めるために、成功事例、失敗事例を分析し、次の費用の判断(何をどれくらい手に入れるために、何にどれくらいのお金を使うのか?)につなげる「仕組み(=形)と意識(=魂)」を、「組織全体」で持っていることです。経営者の属人の力量に組織の力量を付加していくこと、そして、その組織創りのポイントは、「仕組み(=仕組み)と意識(=魂)」にあることを、是非、ご理解いただいたうえで、更なる成長、進化を遂げていただきたいと思います。
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