週刊「儲け創り」通信
〜創刊71号 2004年12月19日〜
発信人 株式会社 船井総合研究所 第三経営支援本部
チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之
この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質をお伝えしていくものです。
今週の「儲け創り」のヒント
「顧客起点マーケティングと技術起点マーケティング」
〜(顧客)ニーズ(=お求め)本位か(技術)シ−ズ(=種)本位か〜
まず、顧客価値を創造すること、そして、あくまでも、その結果として、顧客から売上を頂くというプロセスが、あらためて申し上げるまでもなく、ビジネスの基本であり、ビジネスを成功させるコツです。
さて、ビジネスを成功させるために最も大切な顧客価値を創造するためのアプローチには、ふたつあります。それが本日のテーマである「顧客起点」と「技術起点」のふたつとなります。「顧客起点マーケティング」とは、顧客の消費行動に密着することにより、その消費行動の中から、次の時点の顧客価値を探り当てて、その顧客価値を創造し、提供するものです。いわゆる「ワントゥーワンマーケティング」や、「パーミッションマーケティング」などは、すべてこの中に入ります。「マーケットイン」というのも同様です。小売業などの消費者密着ビジネスにおいて成功するためには、このような顧客起点マーケティング発想が大切になります。
一方で、いくら顧客に密着しても、探り当てられない顧客価値があるのも事実です。残念ながら、消費者は、過去の延長線上でしか、基本的には、発想できませんから、従来の技術の延長線上にある商品にしか反応しません。例えば、今や、ほとんどの人が持っている大ヒット商品の「デジタルカメラ」も、開発当初の消費者調査では、全く反応がなかったとのことです。「デジタルカメラ」のような商品は、日常的に使ったことがないので、消費者調査の段階では、「顧客価値」化できずに、今までの「フィルムカメラ」で充分との答えになりがちであったということでしょう。ですから、じつは、消費者調査も万能ではありません。このような「技術起点マーケティング」の場合、消費者調査などでは、正しい答を導き出しにくいということでしょう。それよりも、このような技術があったら素晴らしいというような技術者の強い思い入れが、画期的な商品の創造に結びつくということでしょう。製造業などの場合、優れた技術者の強い思い入れが、時代を変えるようなビッグビジネスを生み出すことがあるということでしょう。
つまり、「顧客起点マーケティング」は、小局的な成功のためにあり、「技術起点マーケティング」は、大局的な成功のためにあるということになります。もちろん、いずれも場合も、最終的に顧客価値を創造することが出来なければ、ビジネスの成功とはなりえないわけですが、ともすると、「技術起点マーティング」は、見落とされがちである点には、気をつけなければいけないと思います。技術者の「独り善がり」になる危険性が非常に大きい点を踏まえても、大切にしなければいけないアプローチだと思います。
トップへ戻る バックナンバーへ戻る