週刊「儲け創り」通信


〜創刊77号 2005年2月13日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第六経営支援部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之


この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足
(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質をお伝えしていくものです。


今週の「儲け創り」のヒント

 

モノ余り(=必需品としての商品需要の消滅(→ココロ満足需要の発生))時代

小売業における「売る!MD」(マーチャンダイジング・商品構成(複品中心)計画)

製造業における「売る!PP」(プロダクトプランニング・製品開発(単品中心)計画)

基本

 

「柳の下の二匹目のドジョウ狙い」「単なるサルマネ」で通用した時代があった。

通用しない時代の「MD」&「PP」担当者育成の基本

 

今、「MD」&「PP」のポイントは、「仮説構築」

「仮説構築」出来る力は、誰でも持てる力ではない。

最低限、論理的に考える力(=ロジカルシンキング)が必要。

 

 

 

 

 

売る!MD&売る!PPの基本は、顧客価値の把握から始まります。顧客価値が「モノ不足=空腹」であれば、「安く売ること」がビジネスを成立させ、業績を向上させるポイントになります。しかし、「モノ余り=満腹」である現在、業績を向上させるために、まず、企業が行わなければならないのは、顧客価値の把握からということになります。もちろん、「モノ余り=満腹」である現在も、「価格を安く売ること」は、ひとつの価値であり、ビジネスです。しかし、その一方で、「モノ余り=満腹」社会の大きな特徴のひとつとして、「価値を高く売ること(=価格が高くても、価値がそれ以上に高ければ、お買い上げ頂けること)」が、ビジネスとして成立し始めているということです。つまり、そのような顧客価値の多様化に対応するには、まず、「何が顧客価値なのか」を把握することから始める必要があるということです。その次に、我が社は、どの顧客価値に、対応しようとするのかを決めることが、ポイントになります。すべての顧客価値に対応することは、不可能だからです。(取捨)選択と集中です。

 

 

 

 

 

 

  


@消費生活の現場から、未来顧客価値=需要を想像する。

(→MD&PPの基本かつ、王道。花王は、ここから「クイックルワイパー」を製品化した!ただし、そもそも情報の入手が難しいし、入手した情報の加工=仮説構築力がかなりないと難しい。)

A自社過去販売の現場から、自社過去需要=過去顧客価値を知り、未来顧客価値=需要を想像する。

B自社現在販売の現場から、自社現在需要=現在顧客価値を知り、未来顧客価値=需要を想像する。

C他社過去販売の現場から、他社過去需要=過去顧客価値を知り、自社未来顧客価値を想像する。

 (柳の下の二匹目のドジョウ狙いや、単なるサルマネは、一番お手軽だが、成功させるためには、実は、一番難しい。一番遠回り。しかし、お手軽であるという理由で、多くの企業、もしくは、多くのMD担当者、PP担当者が採用している手法。太く長く続く売上を創るつもりが、そもそも、ない。今、不振の製造業、小売業のほとんどは、これが不振の最大の原因。)

 

 つまり、「売る!MD」「売る!PP」を行うためには・・・

@自社の顧客の未来顧客価値=未来需要を明確にすること。需要を把握すること。

A明確にされた未来需要に対応する商品化&製品化を行うこと。未来需要に対応した商品構成&製品開発を行うこと。

B上記2点を、MD担当者&PP担当者に徹底させること。それ以前に、一定の知的レベルにある人を担当者にすること。仮説構築は、誰でも出来るものではない。需要をよく知っていれば、ヒット商品構成&製品開発が出来るのであれば、消費生活関連商品においては、専業主婦が、その担当者として最もふさわしいはずだが、そうはいかない。需要の多くは、「混沌(情報)」であり、その「混沌(情報)」を分析し、商品化、製品化するには、一定の知的レベルが必要だからです。

C自社の顧客の未来顧客価値=未来需要を明確にし、商品化&製品化を行う知的業務は、非常な困難を伴うもの。MD担当者やPP担当者のプレゼンテーションを受ける側の経営幹部は、そのプレゼンテーションにおける「仮説」の精度のレベルの高さをきちんと評価すること。手抜きがないか確認すること。評価をする側が手抜きをすると、担当者のレベルは、アッという間に落ちてしまいます。「仮説における論理的な矛盾」等ないように、しっかりと評価をしていただきたいと思います。もちろん、「柳の下の2匹目のドジョウ狙い仮説」や「単なるサルマネ仮説」などは、絶対に認めてはいけません。

 

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