週刊「儲け創り」通信
〜創刊89号&90号 2005年5月8日&5月15日〜
発信人 株式会社 船井総合研究所 第六経営支援部
チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之
この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質をお伝えしていくものです。
今週の「儲け創り」のヒント
「虚、または、心理価値(=情報)の消費が中心の時代」
なぜなら、実、または、物理価値での区別がつきにくい時代
区別がつけられない時代
差がつくのは、差がつけられるのは、
虚、または、心理価値(=情報)
消費者の側も、そんな事情を(暗黙的に)よく知っていて、
虚、または、心理価値を消費することを楽しんでいるのが、今と言う時代
業績の良い消費財の生産者、提供者は、
みんな、そのあたりの事情をよく知っていて、実行しています。
だから、成功しているのです。
この消費の実態を「ポストモダン(超近代)消費」と呼ぼう。
「虚・心理(価値)」と「実・物理(価値)」の「本末転倒消費」が、現在の消費実態です。商品(モノ)の「実・物理(価値)」を消費するために、商品(モノ)を購入するのではなく、商品に付随する情報=「虚・心理(価値)」を消費するために、商品(モノ)を購入する消費が、現在の消費実態のポイントです。まず、はじめに、情報=「虚(価値)」ありき。「実(価値)」の有無は、2の次、3の次。あるのが当然と考えているのか、あればそれにこしたことはないと考えているのか、場合によっては、なくてもいいのが「実(価値)」。つまり、「本末転倒消費」。そんな顧客価値を満たす(=成功する)には、「虚・心理(価値)」のある商品(モノ)創りをすることが大切です。「虚・心理(価値)」がなく、単に「実・物理(価値)」だけの商品(モノ)は、「虚・心理(価値)」を消費するために商品(モノ)を購入する消費者から見れば、無価値(!)です。
事例その@は、健康食品。「あるある大事典」等のテレビをはじめとするマスメディアの影響で、消費は、右往左往します。基本的には、30代未満には必要がないと言われる「コーキューテン」に、30代未満の消費者が群がります。彼らは、「実(価値)」、ここでは、「身体に良い。」を購入しているのではなく、「虚(価値)」、ここでは、「テレビの話題」と言う情報を購入し、消費していると考えるべきでしょう。本当に健康食品を必要としているのであれば、もう少し、真面目に勉強するはず。もう少し、真面目に勉強すれば、30代未満の消費者には、必要のないことなどすぐにわかるはず。ダイエット食品なども同様。肥満の仕組み(栄養の摂取と消費の関係)からいえば、摂取する栄養を減らすか、消費する栄養を増やす=運動するしかないのは、誰にでもわかるのに、相変わらず、非常に高価なダイエット食品が売れるのは、「ダイエット関連情報を消費する」のが楽しいからでしょう。友人と「ダイエット関連情報」を消費し合うのが、楽しいからでしょう。本当にダイエットしたいわけではないのです。もちろん、本当にダイエットしたいと考えている人もいますが、そういう人は、高価なダイエット食品の購入者の過半数は占めていないのではないでしょうか?高価なダイエット食品の購入者の過半数は、ダイエット関連情報を消費することを、(暗黙的に)楽しみにしている人たちだと考えるほうが自然でしょう。
事例そのAは、山の中ならどこでもとれる「ゆず」の「商品化」に成功し、今では、なんと、人口増加に転じてしまった馬路村。「実もしくは物理的な価値」において、「馬路村のゆず」の優位性は、全く(!)ありませんが、下記に見られるような豊かな表現力、「虚もしくは、心理的な価値」において、圧倒的な優位性があるからこそ、馬路村は、大成功を治めることが出来たのです。はじめの一歩は、馬路村農協の東谷(とうたに)課長(当時)の、自らの進退をかけた(?)、デザイン料200万の決断です。現在でもそうですが、20年位前の時点で、地方の、しかも、農協の、しかも、単なる課長さんの「ビジネスセンス」の素晴らしさは、まさに、奇跡です。これこそ、「虚もしくは心理価値の時代」の成功事例の先がけのひとつです。デザインには、金をかけましょう!ブランドを育成していくと言う視点が、成功のポイントなのです。
(馬路村農協ウェブサイトより)
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