東京都・渋谷区は都内屈指の情報発信地である。渋谷区は15平方��に20万人弱の人達
が住んでおり、ケヤキが区の木となっており、ハナショウブが区の花に指定されている。
東急電鉄の拠点であり、西武グループも池袋とともに拠点としている。 国道20号線（甲
州街道）や国道246号線（青山通り､玉川通り）に都道である明治通りや山手通りがあり、首都高速も3号線、4号線が利用できる。 鉄道もＪＲ東日本の山手線、中央・総武線、埼
京線・湘南新宿ラインがあり、東京メトロは銀座線、日比谷線、半蔵門線、13号線（現在は未開業）が乗り入れている。ほかにも都営地下鉄・大江戸線、東急・田園都市線、ファションエキスプレスと呼ばれて横浜・元町へつながる東横線、京王電鉄は井の頭線、京王線に京王新線、小田急電鉄は小田原線が乗り入れ、バスも都営、東急、京王がある。
交通の要所になっていることで、渋谷区は商業活動が大いに栄えている地域でもあり『ビジネスの街』としての顔と、若者達が集まり『24時間眠らない街』としても知られている｡
渋谷駅ハチ公像近くには百貨店やファション専門店、各種遊技場や風俗店、飲食店などが密集しており、センター街、道玄坂、パルコ、シブヤ109などの集客施設がある。
昭和40年代には公園通りに西武グループが進出してからは『若者の街』としてのイメージが定着している。和食・中華・洋食のレストラン、インテリアに凝ったカフェやタレント達が通うファション美容室なども多く『お洒落な街』としても知られている。渋谷区には私立の学校も数多くあり、テイチク、スターダストプロモーションやジャニーズ事務所、劇団ひまわりなどの本社や本部があり、新国立劇場やＮＨＫ放送センターがある。唱歌“春の小川”のモデルになったのが渋谷川上流の河骨川である。 このように
渋谷は『文化の街』の側面ももっている。
渋谷区はビジネスの街として多くの会社が本社を構えている。恵比寿のサッポロビール工場跡地には、渋谷のランドマークタワーとして恵比寿ガーデンプレイスが建設され、サッポロビール自身が本社や記念館を持つ魅力的な商業施設となった。渋谷区に本社を持つ企業にはＪＲ東日本、東京急行電鉄、カルピス、伊藤園、カシオ計算機、セコムなど日本を代表するビッグ・ビジネスがある。
また、渋谷区には『ＩＴビジネスの街』として、神泉町や渋谷区渋谷にはビッドバレーがあり、マイクロソフトの日本法人、サイバーエージェント、クーグル日本法人、スクウェア・エニックスなどの本社も渋谷区である。
新宿駅南口を利用する高島屋や東急ハンズ新宿店の所在地は渋谷区である。現在建設中の新宿駅南口ターミナルが完成すれば、新宿の人の流れが渋谷側へ流れると云われている。大正 12年（1923年）関東大震災の年に、秋田県大館市の斉藤義一さんという家にオスの子犬が誕生した。翌年の正月明けの14日、ハチと名付けられた子犬は東京へ旅立つことになった。米俵に入れられたハチは急行702号列車で20時間かけて上野駅に着いた。（79年に訂正されるまで着駅は渋谷だと云うのが定説だった）ハチの飼い主は渋谷駅から歩いて5分ほどの高台にある上野邸であった。駒場にある帝国大学（現在の東京大学）で
農学部の教授であった上野英三郎博士邸には八重夫人や養女のつる夫妻、それに書生さんと3人の女中さんが生活していた。 そして博士は大の犬好きで、すでに8才のジョンと7
才のＳが飼われていた。上京して環境に馴れたハチはジョンやＳと博士の送り迎えをするのが日課となった。博士は渋谷から西ヶ原農事試験場へ行くには山手線の駅、農商務省へ行くには市電の駅を利用していた。それと博士が勤める農学部の校門を良く覚えており、朝に見送った場所に夕方も迎えに行くのが習慣となっていた。
大正 14年（1925年）5月21日はハチだけが博士を農学部へ送っていった。 そして夕方になり農学部校門へ迎えに行ったが、博士は暗くなっても帰ってこなかった。博士は教授会の後、同僚の吉川教授の部屋で急逝していたのだった。
ハチは博士の臭いを求めて物置に入り、空腹も忘れて3日3晩何も食べなかった。 博士の
通夜が執り行われた4日後に、飼い主の死が理解出来ないハチは渋谷駅に博士を迎えに行
って待ち続けたが、亡くなった博士は戻るはずもなかった。
未亡人となった八重夫人は入籍されていなかったため、法律的に生活が保証されなかった｡
未亡人はハチを連れて親戚の呉服屋やイスを作る工場を営む親戚に身を寄せるが、ハチが一緒のために迷惑を掛けるようになり、養女であったつる夫妻の元に戻ることになった。
だが、またしてもハチが近隣の畑の作物の上を走り回って悪戯をするので、お百姓さんに棒で追い払われるようになり、養女夫妻の家からも出なければいけなくなった。
博士を懐かしむハチを見ているのが辛くなった未亡人は、上野邸に出入りをしていた植木職人に頼んでハチを引き取って貰うことにした。放し飼いにされていたハチは野良犬と間違えられて捕獲人に捕まったり、思い出したように駅に行くと駅員から棒で叩かれて追い出されたり、心ない人達に悪戯されたりして不幸な日々を送るようになっていた。
そんな頃にハチが博士の送り迎えをしていた様子を見ていた日本犬保存会を組織していた人が、朝日新聞にハチの忠犬ぶりと犬の愛護を呼びかける投稿をしたところ大反響となった。ハチの忠犬ぶりと不幸な日々に共感した人達から公をつけて呼ばれるようになり、いつのまにか忠犬と付けられるようになった。今ではハチ公像として待ち合わせ場所など、渋谷には欠かせないランドマークとなっている。渋谷区には『ファションの街』として代官山や原宿にはユニークなブティックが数多くある。そして表参道には国内外の有名ブランド・ショップがつらなり、いまでは銀座を凌ぐファション・ストリートとなっている。
『クリスチャン・ディオールでは 1996年から販売している「レディディオール」が、故
ダイアナ妃が愛用していた事から世界中で大ブレークした。ディオールを象徴するシンプル＆エレガントなバッグとして知られ、発売以来シーズンごとに素材やカラーを変えて発表されている。今年のＳＳシーズン向けにはレースを使いヌードカラーのカーフスキンに上品な黒のチュールレースをあしらったものと、ラムスキンにレザーをレースのようにアウトカットしたものが発表された。もちろんＤｉｏｒの切り文字のオーナメントがさり気なくつけられている。この切り文字はディオールの友人であったジャン・コクトーが「Ｄｉｏｒとは神（Ｄｉｅｕ）と黄金（Ｏｒ）からなる魔法の名前」と言った有名な話がある｡
レディディオールは世界のファション・セレブはもちろんのこと、新しいシリーズが発表されるたびに買い求めている熱烈なファンが多くいるという』
表参道は、このようにファションだけでなく商品にまつわるエピソードを楽しみながらショッピングができるファション・ブティックがディオールを始めとして、グッチ、シャネル、エルメス、フェラガモ、ヴィトン、バーバリー、セリーヌ、ハナエ・モリなどのブランド・ショップが40社以上も軒を連ねるファション情報の発信地ともなっている。
そして今年2月に新しい情報発信基地が誕生した。「表参道ヒルズ」である。 ここのテナントにはイヴ・サンローランやドルチェ＆ガッバーナ、ハリー・ウィンストンなどが入居しており、ここに来なければ見られないようなアンテナメショップも数多くある。
渋谷の情報ジヤンルは多岐に渡っており、これからも眠ることなく発信されるだろう。
|
