ブランドに学ぶ 儲けを生みだすビジネス・コラム

桃太郎のビジネスコラム 330

☆ セレブ達に人気のドレス☆

2010.11.17号  

 今、セレブ達に最も人気が高いのが、「マルケッサ」のドレスである。マルケッサのコレクションの多くを占めているのがドレス(イブニングガウン)で、カラーは白と黒などモノトーン調の色が多く使用されている。ゴージャスというよりも、エレガントという表現があてはまるファッションで、多くのファンは着たときの品の良さを高く評価している。その品の良さと華やかさは、アカデミー賞の授賞式などで女優達が着ているドレスを連想させる。特徴としてはアジア、特にインドの影響を受けた刺繍などをデザインに取り込み、その立体的裁断に定評がある。それ故にデザインをインスピレーションするときの、ルーツはインドにあると云われている。マルケッサは2004年にジョルジーナ・チャップマンと、カレン・クレイグの女性二人によって設立された。二人は共に美人であることでも有名である。ジョルジーナとカレンは共にロンドンの、芸術大学チェルシー・カレッジで学んだ。その後ジョルジーナは2000年にブライトン大学芸術学部を卒業。カレンは2001年にウィンブルドン美術大学を卒業した。カレンは在学中からプリントと刺繍に注目し、技術を磨き続けていた。カレンは大学卒業後にフリーのデザイナーとして、カルバン・クライン(既号212.アメリカン・トラディショナル)やドルチェ&ガッバーナ(既号184.マドンナのお気に入り)などで働いていた。一方のジョルジーナは主に映画や演劇などのコスチュームを制作していた。

 ジョルジーナとカレンのデザインしたドレスは、瞬く間にセレブ達に浸透。2008年の夏のイベントには若手の人気女優アン・ハサウェイがスリット入のロングドレスを着用し、周囲から大きな注目を浴びた。そのアン・ハサウェイが昨年6月にニューヨーク市内のデラコルテ劇場で開催された、2009年シェークスピア・イン・ザ・パークでは、ゴールドのストラップレスのドレスで登場し、華やかな姿を披露。マルケッサは昨年2月の09/10秋冬ニューヨーク・コレクションで新作を発表するや、多くのメディアに取り上げられた。5月の第62回カンヌ国際映画祭では、主演作上映会のレッドカーペットに登場したペネロペ・クルスが、ライラックカラーのドレスで登場。同10月にニューヨークのリンカーンセンターで、アメリカン・バレエ・シアター主催のイベントに、女優のエミー・ロッサムが、胸元に美しい刺繍のついたワンショルダードレスを着用。また、黒人だが美人女優として有名なケリー・ワシントンが、エイズに感染したアフリカの子供達を救うチャリティーイベントに、モノトーンの色合いに折り紙をモチーフした印象的なドレスを着用し、同じブランドのクロコダイルのハッチバッグをコーディネートして上品な雰囲気を強調。今年5月の第63回カンヌ国際映画祭では、女優ケイト・ベッキンセイルは淡いブルーのストラップレスドレスで登場。6月に行われた米国最大の演劇・ミュージカル賞を讃える第64回トニー賞では、ルーシー・リューがマルケッサにしては珍しいゴージャスな、ロングドレスをセレクトしていた。デミ・ムーアもマルケッサの大ファンで、着用しているところを度々報道され、広告塔として契約しているのかと思うほどである。しかし、現時点ではそのような報道には接していない。今年4月にもハリウッドで開催された映画The Jonesesのプレミア上映会に、夫で俳優のアシュトン・カッチャー、それに娘で女優のルーマー・ウィリスと共に出席。チョイスしたのは10/11秋冬コレクションのドレス。鮮やかなピンクのスェードにペイズリー柄の装飾と、背中の大きく開いた印象的なデザインだった。ファッション・モデルとしても活躍したデミ・ムーアは、2006年にはベルサーチ(既号134.連続殺人魔とベルサーチ)の広告塔として契約していたこともある。

 デミ・ムーアは1962年生まれの48歳。あどけなさの残るイノセントなベビーフェイスと、澄んだ瞳の知的な顔立ち。それと豊満な肉体とのアンバランスが注目を集め、1980年代後半から90年代前半にはトップスターとして活躍していた。16歳で女優を目指して学校を辞め、モデルとして活躍する。6作目の映画「ゴースト/ニューヨークの幻」に出演。映画もヒット作となったが、それ以上にデミ・ムーア自身と、リバイバルであるテーマ曲「アンチェインド・メロディ」(既号167.60万人の「聖地」巡礼)が大ブレイクする。『銀行に勤めるサム・ウィート(パトリック・スウェイン)と、恋人のモーリー・ジャンセン(デミ・ムーア)は、お互いに心から愛し合っている恋人同士だった。結婚を夢見る二人は一緒に暮らすアパートも見つけ、幸せそのものだった。そんなある夜、突然の不幸が二人に訪れる。暴漢が二人を襲い、モーリーを守ろうとしたサムは暴漢に撃たれて命を落とす。サムは肉体が死んでしまっても、心と魂は地上を離れて天国へ行くことを拒み、モーリーを見守る事を選ぶ。しかし、サム(幽霊/Ghost)はモーリーに一生懸命に話し掛けるのだが、モーリーにはサム(幽霊/Ghost)の声が聞こえない。ある日サム(幽霊/Ghost)は、自分を殺した男ウィリー・ロペスを知るが、それを伝える術もなく途方に暮れていた。そこで霊媒師メイ・ブラウンだけは、自分(幽霊/Ghost)の声を聴くことが出来ると知る。しかし、メイ・ブラウンは詐欺まがいの行為で、客から金を巻き上げるような女だった。ほかに術がないサム(幽霊/Ghost)は、メイ・ブラウンを説得してモーリーとの連絡役を引き受けてもらう。最初は半信半疑だったモーリーも、メイ・ブラウンが生前のサムしか知らない筈の事を語るので信用し、そのことをサムの親友だったカール・ブルーナーに相談した。サム(幽霊/Ghost)はカールがウィリーの家に向かう後をつけた。そこでカールが不当な金を銀行経由にすることで、正当な金に見せかけるマネー・ロンダリングに関わっていたことを知る。それまでサムはカールが不正をしていたことを知らなかったのだが、カールはサムに気づかれたと思い込み、ウィリーと共謀して自分を殺したことを知る。サム(幽霊/Ghost)は不正を正すためメイ・ブラウンに頼んで、カールの秘密口座を解約する。そのことでカールはサムが生きているのではないかと疑い始め、ウィリーと共にモーリーに襲いかかった。しかし、サム(幽霊/Ghost)とメイ・ブラウンの助けによってモーリーは救われ、カールはガラス窓に突っ込んで死んでしまう。ようやくサム(幽霊/Ghost)はモーリーを助ける使命も終わり、モーリーに別れを告げて天国へ昇っていった。』

 昨年の11月、マルケッサのデザイナーであるジョルジーナは、イギリスのジュエリー・ブランド「ガラード」とコラボレーションしたニューコレクションを発表。ジョルジーナはニューヨーク在住であるが、多くのブランドが国際的な展開を推し進めており、訪れたチャンスに提携をした。また、ジョルジーナは2007年にハリウッドの大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインと結婚しており、今年の4月に妊娠5ヶ月であることを公表し、現在は活動を休止中である。ハーヴェイ・ワインスタインは「恋におちたシェークスピア」を配給した映画会社ミラマックスの設立者。現在二人はニューヨークとロスアンゼルスを行き来する生活を送っている。誕生する子供はジョルジーナにとっては第1子だが、ハーヴェイ・ワインスタインは前妻との間に3人の娘がいる。今年3月に行われた第82回アカデミー賞授賞式には、カレンのデザインした刺繍をあしらったドレスをヴァネッサ・アン・ハジェンズが着用。美しいシルエットにはため息が漏れた程だったという。ジェニファー・ロペスは同年のゴールデングローブ賞でもチョイスしたシフォンドレスと、同じデザインの色違いドレスを着用。マルケッサの大ファンであるアン・ハサウェイも真紅のロングドレスで登場。プライドの高いハリウッドスターが、何人も同じイベントで、同じブランドを着用することは稀だという。それほどマルケッサの評価が高いことの裏付けと云える。多くのセレブ達に指示され、容姿端麗で知られるジョルジーナとカレン、時にはレッドカーペットの華になることまであるという。


<< echirashi.com トップページ     << ビジネスコラムバックナンバー